早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

明るく楽しい勉強会

まとめのまとめ(kyakkyauhuhuhuさん)
・放射能汚染地図を購入する

2014年予定
・10月11-12日 浅間山(非公開)
・10月25-26日 草津温泉
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放射能リスクの評価

紀要論文「福島第一原発2011年3月事故による放射能汚染と健康リスク評価」2014年3月

・100ミリシーベルトで0.5%ががん死。「致死量」は20シーベルト。
・1ミリシーベルトで寿命1日短縮。1シーベルトで3年短縮。
・1ベクレルで寿命1秒短縮。10万ベクレルで1日短縮。
・15億ベクレルでひとり死亡。

比較
・交通事故のリスクは1年あたり寿命1日短縮。80年なら80日短縮。
・ひとの一生は3万日。
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アイスランド・バルダルブンガ火山の2014年噴火

・噴火した火山はBárðarbunga(Bardarbunga、バルダルブンガ)。バトナ氷河におおわれている。
・噴火地点はHoluhraun(ホルフロイン)。150年前の噴火でできた溶岩原。そのときの噴火割れ目を今回も使っている。
・初回の噴火割れ目の長さは600メートル。そこからの溶岩流出ピークは、8月29日0040-0100にあった。噴火開始は0002。
・2回目の噴火は8月31日0400から始まった。噴火割れ目の長さは2日前より長く、1500メートル。
・8月23日に地震が多発した。氷底噴火したのかもしれない。28日に氷の表面に円弧亀裂が見えた。
ツイッターまとめ

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ライブカメラ画像(2014年9月6日朝)

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(左)アスキャ・カルデラのそばにあるドレキ小屋。2004年の写真だが、いま、ここが火山監視の最前線になっているとみられる。アイスランド警察
(右)危険地帯から緊急脱出するケンブリッジ大学の研究者たち。9月3日に原因不明の火山性微動が観測された。

氷河の下にあるバルダルブンガという火山の地下で1週間ほど前、マグマが北東方向に向かって水平に40キロほど動いた。その先端のホルフロインという場所から8月29日に噴火した。150年前の噴火割れ目を使ってマグマが地表に表れて火のカーテンを噴きあげつつ溶岩を流した。31日にも同じ場所から再び噴火した。 【“アイスランド・バルダルブンガ火山の2014年噴火”の続きを読む】

福島県の子ども甲状腺検査(1巡目)の結果検討

2014年8月24日、福島県が行っている子ども全員甲状腺エコー検査の1巡目の結果が報告された。検査は23年度から25年度まで、3年間かけて行われた。6月30日時点での集計だから、検査が最後に回った会津地方の結果がまだ完全には出そろっていないそうだが、大勢は判明している。いまこそがこの結果を検討するにふさわしいと考えた。

30万人を調べて福島県がみつけたがんは103例である。

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23年度の受診率はどの年齢階層も7割を超えるが、25年度の受診率は高年齢でとくに低い。16-18歳は3割しか受診していない。甲状腺がんは年齢を重ねると急激に増える傾向があるから、(事故当時)11-18歳だった受診者だけのがん割合を検査年度(すなわち地域)ごとに調べた。11歳未満のがん数は103例中わずか7例だから無視できる。103例すべてを11-18歳として扱って割合を計算した。

nenreibunnpu.png 福島県2014年8月24日発表資料から

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・がん数は11歳未満も含む。ただしそれは103例中、わずか7例である。
・16-18歳のがん率は11-15歳のそれの3倍だから、16-18歳受診者数の3倍と11-15歳受診者数の和を分母として割合2を計算した。
・データは福島県2014年8月24日発表資料から。

どの地域も、1万人あたりのがんは7~10人の中に入る。地域差は認めにくい。「25年度(それ以外)」は、放射能汚染が軽微だった会津と八溝である。この地域は今回の検査で対照群の役割を果たすだろうと当初から見込まれていた。今回得られた結果は、弱汚染地域でも強汚染地域でも、がん割合が変わらないようにみえる。年齢効果を補正した割合2で比較すると、弱汚染地域である会津地方のがん割合が強汚染地域である浜通りのそれより高い。

福島県の子どもの甲状腺がんは、原発事故前からあったものが、精密なエコー全員検査をしたせいでみつかったと解釈するのが妥当である。こういった(自覚症状のない)潜在がんが子ども1万人に3~4人もある事実は、今回初めてみつかった。医学は進歩したが、その陰で、58人の子どもたちののどにメスが入れられた。手術はこれからも行われるらしい。

上の検討は原発事故から検査までに経過した時間を考慮していない。受診者が年齢を重ねたことによって増えたがんをここから差し引く必要がある。(検査が最後に回った会津と八溝でのその差し引き数は、検査未了のためこれから増える数と相殺する程度ではなかろうか。)
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福島県の子ども甲状腺がん数(1巡目)の予想

福島県からの次の発表をいつも待っているだけではいけないと思って、1巡目で最終的にみつかる甲状腺がん数を反証可能なかたちで予想してみた。

二次検査の進みがまだまだの25年度は、年齢階層別の「がん/一次検査受診者」比を使って計算して積算した。がん率は年齢だけに依存して、放射能汚染との相関はないとした予想である。がんは最終的には103人になる。

玄妙予想では104人になる。玄妙予想は、「がん/一次検査受診者」比の算出に24年度と25年度だけを使ったのと、事故時年齢ではなく検査時年齢を考慮した。2日前に公開した私の予想を改良したものである。

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ここで予想したがん数は、26年3月31日までの1巡目でみつかるがんの数を言う。二次検査そして細胞診に進んで、がん判定が全部終わるのは27年3月頃になるとみられる。26年4月からすでに始まっている2巡目でみつかるがんの数は含まない。

現時点で言えること。25年度(いわき市以外)のがん数が最終的に16程度であっても、がん率に地域差があることにはならない。放射能汚染との相関があることにならない。会津地方は11歳以上の受診比率が他所より有意に少ないから、がん数が減っておかしくない。がん率は年齢に大きく依存する。高年齢はがん率が高い。

【結果判定】 合計103はピタリ当たったが、その内訳はやや外れた。ただし、その外れ具合は、がん率と放射能汚染に相関はないとした仮説を反証するほどではない(2014年8月24日)。

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福島市の放射線量率、2014年6月10日



前回の測定は、2012年3月9月

放射能汚染の経年変化(前橋市)



前橋市のページで公開されているデータからグラフを作成した。

焼却灰(飛灰)に含まれるセシウムの量は、半減期で期待されるとおりに低下している。最初の1年間の低下は急だったが、その後ゆっくりになっている。セシウム137の半減期が30年だからだ。
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草津白根山の1キロ円

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群馬県長野県のページにある草津白根山1キロ円は、有意に小さい。実際には0.93キロ円くらいだ。
ところで、1キロ円がかからない長野県に、なぜ道路規制と迂回のページがあるのだろうか。
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大森房吉の活火山・休火山・死火山

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震災豫防調査會報告 第八十七號

大森房吉は、100年前、活火山・休火山・死火山を次のように区別した。
活火山:しばしば破裂して、平時から噴煙を出している火山。浅間山、霧島山、阿蘇山、桜島、伊豆大島、有珠山など。
休火山:歴史時代に噴火したことがあるが、その後、長いあいだ破裂せず、噴煙もない火山。富士山、鶴見岳、開聞岳、神津島、新島など。
死火山:硫気ばかりで、破裂しない火山。箱根山など。ただし休火山との区別はむずかしい。

たいへん納得がいく分類だ。語感に忠実だと思う。1888年噴火前の磐梯山は休火山だった述べているところは、(物理学者であるにもかかわらず)大森が、現在のみならず歴史的な視座も有していたことがわかる。また、死火山は噴火しないが地震を起こすことはあると注意喚起している。

現在の用語で活火山に相当する概念を、大森は活火山と休火山の二つに分けて表現した。私もこの表現に賛成だ。

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航空機モニタリングにおける半減期と風雨の効果


@shanghai_ii
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