早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

明るく楽しい勉強会

まとめのまとめ(kyakkyauhuhuhuさん)
・地質図とクリアファイルは、キプカスピリット(ヤフオクメルカリ)あるいはきつねの雑貨屋さんから購入できます。

2017年予定
・10月22日 御代田を歩いて地形と地層を見学する3時間コース
・11月23日 八ッ場ダムに埋まる村と高台に造成された新しい村を歩く

2018年予定
・9月25日 ハワイ・キラウエア火山

2019年予定
・9月 セントヘレンズとレーニア
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ふくしま放射能汚染の誤解

誤解1 (チェルノブイリとの比較)

× ふくしまの放射能汚染はチェルノブイリほどひどくない。ふくしまは、チェルノブイリとは違う。
○ ふくしまの放射能汚染はチェルノブイリと同じだけひどい。ふくしまはチェルノブイリと違わない。

ふくしま原発事故で出た放射性物質はチェルノブイリの10分の1だが、人口密度が10倍なので集団被ばく線量は同じになる(2016年12月7日エントリ)。したがって、放射能による人体への健康被害の出現率は同じになるはず。日本に伝えられているチェルノブイリの健康被害は再評価が必要。

誤解2 (放射能漏れ)

× 3月12日と14日の水素爆発のときに放射性物質が出た。
× 放射性物質は、事故後3月末までの2週のあいだずっと出続けた。
○ 放射性物質は、東電のベント操作のたびに出た。1回の放出時間は30分程度だった。

放射性物質がずっと出続けたわけではなかったことを示す最もわかりやすい観察事実は、汚染軸が原発を通らないことだ。放出時に風向きが大きく変化したことを反映して南に4キロずれている(2013年10月15日エントリ)。ずっと出続けたとして計算したSPEEDIの結果は、実際の汚染分布と大きく違う(2013年10月26日エントリ)。

誤解3 (浪江町津島)

× 津島に避難した浪江町民は放射能にひどく汚染された。
○ 津島に避難した浪江町民は、3月15日に濃い放射能霧がやってくる直前に二本松市に再避難してひどく汚染されることから免れた。

詳細事情は、2017年8月2日ツイートまとめ「津島に避難した浪江町民が大量被ばくしたの誤解が6年間なぜ放置されたままなのか」をお読みください。

誤解4 (甲状腺がん)

× 福島県の子供にみつかった甲状腺がんは原発事故で被ばくしたからできた。
○ 福島県の子供にみつかった甲状腺がんは、検査によって無理にみつけたものだ。被ばくする前からあった。

福島県の甲状腺検査は、「事故の影響として甲状腺がんが増加したかしなかったかを疫学的に検証し、県民そして国内外に示す必要がある」から実施されている。(2015年3月25日エントリ)。つまり、子供たちの健康を守るためではなく、学術的興味関心を満たすために実施されている。そして大勢の子供たちの身体を傷つけている。倫理的にはとうてい許されないことが、原発事故後の非常時を理由に、いま福島県で進行している。


御嶽山噴火裁判の人たちへ

秋晴れの松本で10月10日に開かれた第四回口頭弁論を傍聴しました。御嶽山2014年9月27日噴火で死亡した登山者の親族のみなさまにお悔やみ申し上げます。負傷したみなさまの一日も早い快復をお祈りします。

強い無念の気持ちがこの裁判を起こさせたのだと想像します。あのとき何が起きたのか、なぜ死傷することになったか、を知りたいのは当然です。それを裁判によって明らかにしたいと行動に移したことに敬意を表します。

火山学者として私は、まずみなさまにお伝えしたいことがあります。それは、58人死亡と5人行方不明の原因です。火口から飛び出したひと抱えもあるような大岩に当たって打ち砕かれたとする報道がありますが、この理解は正しくありません。死者の多くは高空から猛スピードで落下してきた直径5~10センチ程度の小石に当たって命を落としました(論文1)。負傷者が当たった小石と同じです。少数例として、火砕流に襲われて火傷したり窒息したひともいたようです。親族の最期がどうだったかを正確に知っておくことは大切だろうと思って申し上げました。

さて裁判では、2週間前に地震が日50回を超えたのに気象庁が噴火警戒レベルを2に引き上げなかったことと、壊れたままの地震計を長野県が放置したことを指摘していらっしゃいました。これらのどちらも、相手方の責任を追求するのはむずかしいだろうと私は思います。

たしかに気象庁には、御嶽山の地震が日50回を超えたらレベル2にする内規があったようです。しかし、それに従ってレベル2に上げるか上げないかは、気象庁長官の考え次第です。裁量のうちです。他のデータや諸事情を勘案してレベル2に上げなくても、そこに不作為を問うことはできないだろうと思います。

長野県には火山噴火を監視する義務がありません。ですから、設置した地震計が正常に動いていなかったことを責めるのはお門違いのように感じます。聞くところによると、火山砂防事業による地震計だったようです。であるなら、谷中を流れる土石流(や火砕流)の震動を捉えることが目的であって、噴火を予知するために設置したものではなさそうです。9月27日噴火では火砕流が発生しましたが、あの火砕流が地面を叩いて起こす震動は噴出時の震動に埋没して検知できなかっただろうと思います。

責任を問うのであれば、その相手はこの国の唯一の火山監視機関である気象庁です。気象庁は2007年12月に気象業務法13条を改正して、一般の利用に適合する噴火警報を出すことにしました(論文2)。しかし、2014年9月27日の御嶽山噴火の前に噴火警報は出ませんでした。出ないまま、58人が死亡して5人が行方不明になりました。そして多数が負傷しました。一般の利用にまったく適合していません。ここを指摘するのが、いま日本の火山防災のためにとても重要だと私は考えます。

なお噴火警報を出すことは噴火警戒レベルを2に上げることを意味します。結果的には同じことですが、レベル2ではなく噴火警報を争点として掲げると法律条文との対応が明確になります。

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新燃岳の噴火シナリオ

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2011年1月26日プリニー式噴火がいま起こった場合。16日の風による。気象予報によると18日までほぼこの風向き。

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浅間山1783年8月4日吾妻火砕流と同じものが新燃岳火口から噴出した場合。

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浅間山1108年8月30日追分火砕流と同じものが新燃岳火口から噴出した場合。

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新燃岳2017年10月噴火

1週間前から新燃岳で何が起こっているか。それは灰噴火だ。大きな爆発音を発して火山弾をまきちらすことなく、地下の高温岩石が冷えるに伴って粉々に砕かれて、ガスとともに噴き出している。すでに30万トン40万トンが出た。噴煙の高さはガスの初速ではなく熱量で決まる。噴煙は浮力で上昇している。入道雲と同じだ。

11日 0534噴火開始。噴煙は根本から斜めに倒れている。2400ころ弱まる。2万トン(東京大学は1-4万トン、熊本大学は3万6000トン、産総研は噴出量に言及なし)
12日 0710-0920地震振幅大。1100ころ噴煙3300メートル。1400ころ弱まる。3万トン(東京大学は6-22万トン)
13日
14日 0824噴火再開。1002の噴煙3400メートル。20万トン
15日 えびの高原でSO2が7ppm超。3万トン。8万トン
16日 3万トン。8万トン
17日
18日
19日
20日
21日
22日
23日
24日
25日
26日
27日
28日
29日
30日
31日

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降り積もった火山灰。日ごとに表現。等値線は外側から 1、10、100 g/m2。

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Terra 10月11日1050

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10月12日1117の噴煙。NHKカメラ、高千穂牧場から
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再開した西之島の噴火は4ヵ月で終わったようだ。


海上保安庁の写真図を元に地質図に仕立て上げた。旧島はかろうじて残った。

・2013年11月から2015年11月まで 3億トン
・2017年4月から8月まで 5000万トン
 ツイッターまとめ

私のフォロワー増加から見た最近の噴火と地震



・2011年3月の東日本地震のあと2014年9月の御嶽山噴火まで、人々の注目を集める地震と噴火が3年半なかった。
・2015年は火山噴火が続いて人々の注目を集め続けた。しかし、どの噴火も小規模だった。
・2016年4月の熊本地震以来、1年4ヵ月のあいだ注目を集める地震と噴火がないが、とくにめずらしくない。

浅間山トレッキングコース10選

1)鬼押出し柳井沼(2時間) 浅間山入門、ブロック溶岩
2)鎌原村(1時間半) 天明噴火災害、黒岩
3)小浅間山(3時間) 天明軽石、溶岩ドーム
4)舞台溶岩(4時間、整備中) 火砕流と溶岩
5)鬼押出し横断(5時間) 鬼押出し溶岩を覆う吾妻火砕流
6)しゃくなげ園からシラハゲ(4時間) 厚い嬬恋軽石
7)車坂峠から黒斑山(5時間)、山体崩壊、前掛山と釜山
8)浅間山荘から湯の平(5時間)、追分火砕流、衝突クレーター、山体崩壊
9)御代田(2時間半) 追分火砕流、平原火砕流
10)南軽井沢(5時間) 流れ山、赤岩、パッチワーク断面

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上級(橙)
中級(紫)
初級(青)

他県でできない甲状腺検査は、福島県でもしてはならない。

不利益が利益を上回る過剰診断などという一般には難解な概念をわざわざ持ち出す必要はない。福島県甲状腺検査の矛盾は明らかだ。被ばくのせいでないがんがたくさんみつかったのなら、みつけてはいけないがんをみつけたというわけだ。いままでみつけなくて何の支障もなかったがんだ。そういうがんを、被ばくしたからといって福島県の子供たちだけから無理矢理みつけて切り取ってよいものだろうか。他県では実施しない子供全員検査を、被ばくしたからといって福島県で実施してよいわけがない。

福島県の甲状腺検査、1巡目、2巡目、3巡目の比較



・B判定割合は変わらない
・細胞診を実施する割合が激減してる
・細胞診のがん割合はほとんど変わらない
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