早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

明るく楽しい勉強会

まとめのまとめ(kyakkyauhuhuhuさん)
・放射能汚染地図を購入する

2014年予定
・10月11-12日 浅間山(非公開)
・10月25-26日 草津温泉、10人
・12月19-20日 伊香保(非公開)
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放射能リスクの評価

紀要論文「福島第一原発2011年3月事故による放射能汚染と健康リスク評価」2014年3月

・100ミリシーベルトで0.5%ががん死。「致死量」は20シーベルト。
・1ミリシーベルトで寿命1日短縮。1シーベルトで3年短縮。
・1ベクレルで寿命1秒短縮。10万ベクレルで1日短縮。
・15億ベクレルでひとり死亡。

比較
・交通事故のリスクは1年あたり寿命1日短縮。80年なら80日短縮。
・ひとの一生は3万日。
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火山れきと火山弾

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・火山れきは、火口の真上で空高くまで上がったあと、風に吹かれて横方向に移動してから地表に落ちる小石です。ヘルメットをかぶっていれば、また家や自動車の中にいればケガせずにすみます。
・火山弾は、火口から高速で投げ出された大岩です。弾道軌道を描いて空中を飛行します。最大4キロまで届きます。これに当たるとひとたまりもありません。もし火山弾の射程距離内で突然の爆発に遭遇したら、よけてください。

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浅間山から見た御嶽山噴煙の高さ

長野県佐久建設事務所の黒斑山カメラが、噴火翌日の9月28日から御嶽山に向けられている。噴煙が見える画像からその高さを計測した。

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9月27日は、VAACによる報告。28日以降は、長野県佐久建設事務所の黒斑山カメラ画像を見て私が判定した。見えた限り毎日の最大高度である。比較のために気象庁発表を赤で示した。

写真判定(スケールは、浅間山から見通して継子岳から王滝頂上までの水平距離が2000メートルを使った。)
9月28日13時 900メートル
9月28日21時 1200
9月29日11時 600
9月30日09時 600
10月1日
10月2日08時 800
10月3日
10月4日09時 100
10月4日18時 400
10月5日01時 300
10月6日
10月7日07時 800
10月8日
10月9日23時 600
10月10日02時 300
10月10日09時 200
10月10日18時 200
10月11日01時 600
10月12日02時 1700
10月12日11時 1700
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気象庁による噴火予知の的中率は18%

気象庁は、2007年12月1日から火山に噴火警戒レベルを設定して噴火予知の業務を始めた。これまでの7年間に気象庁が出した噴火警報を詳しく読むと噴火予知を17回発表したと解釈できる。そのうち3回の直後に噴火が発生した。的中率は18%である。いっぽうこの間に予知がないまま噴火が9回発生したから、現在の気象庁による噴火予知の感度は25%である。

○予知成功         3回
●予知失敗(カラ振り) 14回
×予知失敗(見逃し)   9回
ただし桜島を除く

        予知あり 予知なし
噴火あり     3      9
噴火なし    14      -

的中率 3/17 = 18%(予知が的中した割合)
感度   3/12 = 25%(噴火を予知した割合)
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御嶽山の立入規制看板

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八海山。
(左)テレビカメラの最前線。白い服を着てテントの中で立っているひとは、王滝村の消防団員。
(右)最前線から左下に降りる小道に王滝村が出した看板がある。気象庁が噴火警戒レベル3を発表したから火口から4キロの範囲が「立入禁止となっています」と書いている。

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木曽町三岳羽入(黒沢口)の看板は、(長野県)木曽建設事務所が立てている。有人。

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(左)ロープウェイ口は、鹿ノ湯温泉脇に木曽町建設水道課が看板を立てている。上松役場から応援に来た職員が立っていた。
(右)9月27日の噴火で降り積もった粘土

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台風18号が過ぎて、1030ころの10分間だけ御嶽山が九合目まで姿を現した。9月27日に降った白い粘土と噴煙が確認できた。開田高原から。

気象庁による御嶽山の火山情報発表

2007年 
3月 ごく小さな噴火、10トン程度
2008年
3月31日 噴火予報、噴火警戒レベル導入、レベル1
2014年
9月11日1020 解説情報1号、地震増加
9月12日1600 解説情報2号、11日の地震85回
9月16日1600 解説情報3号、地震やや多い状態で推移
9月27日1152 噴火開始、50万トン、死者63人
9月27日1200 噴火に関する火山観測報
9月27日1236 噴火警報(火口周辺)レベル3、大きな噴石
9月28日1930 噴火警報(火口周辺)レベル3、大きな噴石、火砕流

9月27日の噴火前に気象庁は解説情報を3回出して地震増加を伝えた。このうちのどれかを噴火予報として出していればもっとよかった。気象庁の噴火警戒システムにおいて、レベルを1に据え置いたまま改めて噴火予報を出して注意喚起することは可能だ。解説情報と噴火予報は情報のレッテル(重み)が違うから、噴火予報を出していれば社会の受け止め方が変わっていただろう。

もし噴火警報(火口周辺)として出してレベルを2に引き上げていれば、1キロ以内の立入禁止が処置された。そうしてあれば今回の犠牲者はひとりも出なかったわけだが、それは後知恵だ。9月中旬には地震増加以外の異常が認められなかった。地殻変動も熱異常もなかった。あの状況でレベル2に引き上げる判断をするのはむずかしかったろう。
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御岳山2014年9月27日噴火

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御岳山2014年9月27日噴火地図 
・火口(赤ダイヤモンド)
・火砕流(ピンク)
・火山弾(黄)火口からおおむね1km
・降下火山灰1cm(青線)。1cm線で測ると火山灰総量50万トン。
・山小屋

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降灰分布図(2014年9月27-28日) 1 g/m2と0.1 g/m2に色分け。いずれで測っても火山灰総量2万トン。
ツイッターによる火山灰報告

作業用グーグルマップ これが最新状態です。

噴火開始時刻
2014年9月27日(土曜日、晴れ)1152

噴煙の高さ
・VAAC Tokyoは27日1235の噴煙をFL370と報告した。11kmだ。
ERUPTION DETAILS: VA AT 20140927/0335Z FL370 EXTD E REPORTED

火砕流が流れた距離
地獄谷に開いた主火口から谷に沿って南に2.3km下った。

噴出物
岩石が飛び散って、粘土が降った。

噴出量
・近傍の降下火山灰1cmで測ると50万トン
・中距離の降下火山灰1g/m2で測ると2万トン
・遠方の降下火山灰0.1g/m2で測ると2万トン
したがって降下火山灰は20万トンと見積もられる。これは1979年10月噴火と同じである。
・火砕流が覆った面積は3.3km2。平均厚さ10cmとすると30万トン。
両者を合算すると、9月27日の噴出総量は50万トン。

63人。噴火口の北東500mにある剣ヶ峰(3067m)付近にいた登山者。ほぼ全員が火山弾に打たれて死亡したとみられる。すばらしい好天に恵まれた秋の土曜日の正午前だった。

(ここまで、2014年9月29日6時)

ツイッターまとめ
その1 火砕流
その2 火山灰の広がり
その3 心肺停止
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甲状腺エコー検査の説明責任

「がん検診一般について言いますと、不利益が利益を上回るために受けないほうがいいと判断されているがん検診がいくつかあります。専門家の意見として、この検診は受けないほうがいいということも判断としてありうるというのを多くの方に知っておいてもらいたい。もちろん希望者の方に受けていただくのが、一番まあ、不安を解消するという意味ではいいかもしれませんが、そのことで、ご本人が理解されない範囲での不利益が生じる可能性があるということは専門家としてきちんと説明をしないと(いけない)。ただ単に希望者に受けていただくことは、あまり責任ある行為とはちょっと思えないような気がします。」祖父江友孝(大阪大学教授) 第11回あり方専門家会議(環境省、2014年9月22日)

祖父江発言のYouTube動画頭出し
いまの甲状腺エコー検査問題の本質を、祖父江さんが3ツイートの長さで的確に表現してる。

アイスランド・バルダルブンガ火山の2014年噴火

・噴火した火山はBárðarbunga(Bardarbunga、バルダルブンガ)。バトナ氷河におおわれている。
・噴火地点はHoluhraun(ホルフロイン)。150年前の噴火でできた溶岩原。そのときの噴火割れ目を今回も使っている。
・初回の噴火割れ目の長さは600メートル。そこからの溶岩流出ピークは、8月29日0040-0100にあった。噴火開始は0002。
・2回目の噴火は8月31日0400から始まった。噴火割れ目の長さは2日前より長く、1500メートル。
・8月23日に地震が多発した。氷底噴火したのかもしれない。28日に氷の表面に円弧亀裂が見えた。
ツイッターまとめ

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ライブカメラ画像(2014年9月6日朝)

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(左)アスキャ・カルデラのそばにあるドレキ小屋。2004年の写真だが、いま、ここが火山監視の最前線になっているとみられる。アイスランド警察
(右)危険地帯から緊急脱出するケンブリッジ大学の研究者たち。9月3日に原因不明の火山性微動が観測された。

氷河の下にあるバルダルブンガという火山の地下で1週間ほど前、マグマが北東方向に向かって水平に40キロほど動いた。その先端のホルフロインという場所から8月29日に噴火した。150年前の噴火割れ目を使ってマグマが地表に表れて火のカーテンを噴きあげつつ溶岩を流した。31日にも同じ場所から再び噴火した。
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