
台風進路予想図の例

震度図の例 アメダス図の例
甲:台風進路予想図や震度図やアメダス図に All rights reserved Copyright (c) Japan Meteorological Agency と書いているのはなぜですか?
乙:著作権が気象庁に帰属することを示しています。
甲:
利用規約に、「気象庁ホームページで公開している情報は、どなたでも以下の(1)~(7)に従って、複製、公衆送信、翻訳・変形等の翻案等、自由に利用できます。商用利用も可能です。」と書いています。著作権を行使しないと宣言しているのに、「すべての著作権が気象庁に帰属する」と図にわざわざ明記する行為は理解に苦しみます。
乙:複製などは自由にしていただいてかまいませんが、著作者が気象庁であることを示しています。
甲:それなら、Japan Meteorological Agency と書けばよろしい。 All rights reserved Copyright (c) はいらない。それがあると、気象庁がその図に著作権を主張しているように受け取られます。
乙:著作権を主張しています。
甲:そんなことはないでしょう。
著作権法によると、著作者の権利には著作権のほかに著作者人格権があります。公表権・氏名表示権・同一性保持権です。気象庁がコンテンツを利用するひとに望んでいるのはこれらの尊重ですよね。
乙:はい、そうです。
甲:いっぽう著作権は、知的財産権のひとつです。金銭的価値を追い求めるものです。利用規約で行使しないと宣言したものです。図に Copyright や (c) をわざわざ表記する行為は、著作者人格権ではなく、著作権を主張していることになります。利用規約と矛盾します。
乙:・・・
甲:国民の命を左右する台風予想図や税金で観測して得た震度図やアメダス図に著作権を主張して、気象庁はみずからの財産を確保したり拡張したいと思っているのですか?台風進路予想図や震度図やアメダス図は、利用規約に書いてあるように、国民に広く利用されるべき情報です。その利用に制限をかけるのはきわめてよろしくない。すみやかに改善してほしい。
乙:具体的にはどうすることを望みますか?
甲: Japan Meteorological Agency とだけ書けばよろしい。
きのう第三者通報によってTBS報道特集2月5日動画をYouTubeが削除した理由については、本年、文部科学省に採択された私の科研費の研究課題「インターネットを活用した情報協による新しい地学教育」(3年間内諾)に照らして徹底的に争う。
YouTubeが利用規約に基づいて二つの動画を削除したことは承諾するが、著作権法に違反していたと私は考えていない。これは引用である。このような引用を許さない国には将来がない。まともな文化が育つとは思えない。法に照らして引用と認められないというなら、それは現行法が不適である。法律を正さないといけない。
この使い方は米国ではフェアユースとして認められている。該当動画を下に置く。これが引用に当たるか転載に当たるか、できるだけ多くの方が見て判断してほしい。
JNN報道特集(2011.2.5)からビデオクリップ(動画コンテンツは削除されている)
・
新燃岳噴火の火山学的解説・
高原町長が30日深夜、避難勧告した理由YouTubeにおいた上記動画は、5月25日に削除されましたので、下に置き換えました。(5月26日)
・
新燃岳噴火の火山学的解説・
高原町長が30日深夜、避難勧告した理由もともとのエントリ 「
2月12日 今後の可能性」
この件に関係あるかどうか知らないが、おととい(24日)、日本地球惑星科学連合2011年大会(幕張メッセ)で私が発表した「
気象庁が2007年に導入した「噴火警報・噴火警戒レベル」の問題点」(映写したスライド)
フェアユース容認へ、さらに一歩前進したようだ。
アサヒコム
ネット著作物「公正利用なら制限緩和を」 知財戦略本部2008年12月24日
政府の知的財産戦略本部が24日開かれ、ネット時代に対応した知財制度を検討してきた専門調査会が報告書を提出した。ネット上での著作物の利用制限を緩和するため、著作権者の利益を損なわない公正な利用であれば、許可なく著作物を利用できるようにする一般規定(フェアユース規定)を作るよう提言している。
現行の著作権法は、権利者の許可なく複製できる事例を、個人での利用や教育目的、点字のための利用など、具体的に列挙したものに限っている。この方式では、新たな事例を追加するのに時間がかかるため、一般規定が既にある米国では著作権法違反にならないのに、日本では違法になる事例があるという。
一般規定を設けることで、画像や文章の複製をサーバーに保存する必要があるインターネットの検索ビジネスなどを振興するねらいがある。
アサヒコムが次のように伝えた。
テレ朝の番組を無断で証拠申請 秋田・藤里事件で検察2008年12月17日22時52分
秋田県藤里町の連続児童殺害事件の控訴審公判で、仙台高裁秋田支部(竹花俊徳裁判長)は17日、テレビ朝日が放送した畠山鈴香被告(35)のインタビューを録画したDVDを証拠に採用した。検察側が無断で証拠申請していた。テレビ朝日広報部は「番組の内容が報道目的以外で使用されたのは極めて遺憾」としている。
証拠採用されたDVDは、06年5月の米山豪憲君(当時7)殺害事件直後のインタビューで、同年7月17日に放映されたもの。畠山被告が豪憲君殺害について関与を否定する話をしている内容だった。
検察側は公判後に「被告の話に一貫性がないことを立証するためのもの」と説明した。
テレビ・新聞による噴火報道は火山の学術研究のために貴重である。私自身、噴火のテレビ画面や新聞記事を学術論文に使わせてもらったことがある。学術論文を発表することも報道の一形態だとみることも可能だが、「番組の内容が報道目的以外で使用されたのは極めて遺憾」は、省略が過ぎる。番組の内容を裁判の証拠として用いることに限って遺憾を表明してほしい。
ただし法的には、公開された情報を裁判の証拠として用いることに何ら制限はない。過去にあったこれと同種の問題は、裁判所が証拠として取材テープを提出しろと放送局に指示したことへの強い反発だったと記憶している。未発表の取材テープを提出しろの指図はたしかに行きすぎだと思うが、放送して公開した情報を裁判で証拠として使うことにまでマスメディアが苦情を表明したのはめずらしい。この主張が社会の合意を得ることはむずかしいだろう。
私は、1985年3月に東京大学から理学博士を取得しました。翌年3月に、提出した博士論文のほとんどを東京大学地震研究所彙報 第60冊第4号 pp. 507-592 に印刷しました。タイトルは、"Pyroclastic Geology of Towada Volcano"です。これが、東京大学学術機関リポジトリ(UT Repository)で公開されていることに、きょう気づきました。
書誌情報とアブストラクト本文pdf