チリ地震津波が日本列島に来襲したとき(2010年2月28日午後)に、私が
ツイッターでした人文的コメントをここに転載します。
その後、私の津波発言を
Togetterにまとめてくださった方がいます。見やすいです。
【“津波防災対応への人文的コメント”の続きを読む】

captured from
CBS Ustream(左)0643、海面が下がりはじめた。このあと海面が上がって橋の左側のビーチが見えなくなった。0649にまた下がり始めて、また上がり、0658に今度は勢いよく下がり始めた。そして、また上がったあと、(右)0707に、今度も勢いよく下がリ始めた。日本時間による。
CBSテレビのUstreamからキャプチャ保存した。橋を渡った先はココナッツ島。カメラはヒロハワイアンホテルの一室ラナイに据えつけられていたと思われる。遠景はマウナケアの斜面。
CBSテレビのUstreamを見ていた私が津波に初めて気づいたのは、0642。引き波が岩礁の海側につくった小さな白い泡を見てだった。ライブ書き込みとその後のコメントは
ツイログをお読みください。
(ここまで2月28日1035掲示)

0703
下がり切ったあと、上がり始めたときの画像。白波が沖から陸へ向かっている。(3月3日0945追加)
![local01[1]](https://blog-imgs-43-origin.fc2.com/k/i/p/kipuka/20100307064210b5as.jpg)
津波が襲ったココナッツ島を空から見た。CBSライブカメラが設置されたヒロハワイアンホテルが左上に写っている。(3月7日0645追加)
Hawaii Tribune-Herald 【“ハワイ島を襲ったチリ地震津波”の続きを読む】
6日のイタリアの地震は予知できていたが、パニックを理由に当局が学者の発言を封じていたと日本では報道されています。わたしはイタリアの原報道にあたっていませんが、まずはっきりさせなければならないことは、本当に予知できていたのか、です。予報と地震が偶然近接しただけではないことを立証する必要があります。それには、予報のもとになった観測データを詳しく見ることが不可欠です。ラドンだけなのか。地震計や電磁気も使ったのか。
毎日新聞によると、地震予報は2月にあったという。その学者が発生時期をどのように発表したのかも気になるところです。
観測データに変化があっても、「必ずそこで地震が起こるという明確な関係がなければ役に立たない」という報道がありますが、これは誤った考えです。もし1年365日のうち10日だけ警告をある限られた地域に発して、そのうち1日で死者が出る地震が起こるなら、社会はコストを払ってそれを採用するべきです。社会に役立つシステムだと言えます。しかし、そのようなシステムは、残念ながら、いまは存在しないようです。
00時26分に岩手県で起きた地震は、緊急地震速報の新たな欠点を露呈してしまいました。
深さ108キロというから、この距離なら速報が十分間に合うはずだと私は思っていたし、気象庁も思っていたでしょう。しかし警報は遅れました。警報(第6報)が出たのは、地震波の検知から20.8秒もあとのことでした。それは地震波(S波)が岩手県内全域を通過したあとでした。水平方向に100キロではうまくいっても、垂直方向の100キロはうまくいかないことが今朝の地震で露呈しました。
気象庁予報(第1報)は、地震波検知から4.1秒後にでました。しかし震源が深かったため、P波の性質だけから震度を正しく予測することは困難だったようです。システムは、マグニチュード5.8、最大震度4と予測してしまいました。警報の基準を満たす震度5弱が予測されたのは20.8秒後の第6報でした。それは、震度5弱がじっさいに観測されたあとでした。緊急地震速報は、間に合わなかったのです。
しかし、けがをしたり財産を失った方には申し訳ないですが、100キロも深くてマグニチュード7程度の地震では人が死ぬようなことはほとんどありませんから、このような地震の場合は警報が間に合わなくても甚大な損失はないと考えることもできましょう。100キロ深でもマグニチュード8なら地震波検知直後の第1報で警報が出るだろうと期待します。
なお、この地震は日本列島でふつうに起こる逆断層型ではなく正断層型でした。日本列島の下に斜めに沈みこむ太平洋プレート・スラブが、下に引っ張られて引きちぎれて生じた地震だったのでしょう。