キラウエア火山の東ラエアプキ・オーシャンエントリーで、2005年11月28日に起きた大規模なデルタ崩壊の動画が
ハワイ火山観測所のページで公開されています。10時30分から16時までの5時間半の間に、830メートル*320メートルの土地が太平洋に沈み込みました。動画は、1分1フレームの早送りです。
キラウエアの溶岩デルタが太平洋に沈み込むという話はよく聞いて知っていましたが、その一部始終を動画で目の当たりにすると、息を呑みます。溶岩デルタの上には乗るもんじゃないな。
11月12日(日)13時から桐生市で開かれる
日本自然災害学会オープンフォーラム『地域防災力を高める社会技術』で、次の基調講演をします。45分です。
インターネット掲示板を用いた火山リスク・コミュニケーション
- 浅間山2004年噴火で明らかになった長所と課題 -
今年8月に地学雑誌に印刷した論文「浅間山2004年噴火:噴出物調査とインターネット掲示板によるリスク・コミュニケーション」
高品質pdfファイル(17MB)に書いた内容に、その後の進捗を加えて話します。
火山観測情報 第1号
平成18年11月7日00時15分 福岡管区気象台
火山名 雲仙岳
** 見出し *********************
雲仙岳の平成新山南東側斜面で発光現象が見られています。
<火山活動度レベルは1が継続しています。>
** 本 文 *********************
南島原消防署布津分署から、雲仙岳の平成新山の南東側斜面で赤い光が見える所があるとの通報がありました。
気象庁の野岳遠望カメラ及び国土交通省の赤松谷川上流監視カメラによると、平成新山の南東側中腹斜面の一部で明るくなる現象が確認されました。
今回の現象はきわめて局所的であり、火山性地震や微動の発生はなく、雲仙岳の火山活動は静穏な状態が続いています。
今回の現象の原因については、局所的に小規模な高温の火山ガス噴出があった可能性もそのひとつと考えられますが、詳細については、火山機動観測班を現地に派遣して調査中です。
<火山活動度レベルは0~5のうち、1(静穏な火山活動)です。>
発光現象が見られても「火山活動は静穏な状態が続いています」とはどういうことか?この文章を素直に読むと、地震や微動が起きない限り火山で何が起きても静穏だということになってしまう。これはおかしな考え方だ。静穏が続いているというなら、なぜ火山情報を出したのか。それも深夜に。
発光現象が火山活動ではないかのようなこの気象庁の用語法には賛成できない。
1)異常が発見されたのだから、この火山観測情報1号でレベル2に上げて注意喚起する、
2)すみやかに現地を調査して、原因を解明して心配ないことがわかったらレベル1に戻す、
という手順を踏むべきだった。もし、この種の異常がレベル判定表になかったからという消極的な理由でレベルを上げなかったのなら、火山の危険レベル発表の目的に反している。お役所仕事のそしりを免れない。
なお火山ガスの噴出だけでは着火が説明できません。同様の発光が見られた
2002年6月の浅間山では硫黄の発火を疑いました。
【“雲仙岳で発光現象”の続きを読む】
レベル1になって初めて、現地調査しました。

登山口の立看板。レベルは「2」の上に貼り紙して「1」に直してありました。

コマクサ畑には嬬恋村長名で次の掲示がありました:「これより先は登山道が未整備のため、立ち入りを禁止します」。
昨年の立ち入り禁止理由「レベル2のため」と異なります。

そばの黄色いロープには次のように書いた札が吊り下げてあります:「民有地につき立入禁止 環境保全のためみなさまのご協力をお願いします。土地所有者」。その下に、環境省のロゴ入りのステッカーが貼ってあるが、環境省承知の上?それとも勝手に使っている?
ここには立入禁止の理由が三つ書いてあって、どれが本当の理由かわかりません。
しゃくなげ園登山口は標高1560メートルからスタートできるから、浅間山頂登山にもっとも楽なコースです。蛇堀川コースの浅間山荘登山口は1410メートルだから、150メートルも高い位置からスタートできる。途中の景色も美しいこのコースを整備して、大勢のひとに浅間山に登ってもらおうと嬬恋村は考えないのだろうか。
なお、昭文社の山と高原地図19「浅間山」は、しゃくなげ園駐車場の位置と登山ルートを大きく書き間違えています。しゃくなげ園へは、従来どおり溶岩樹型経由でも行けますが、案内板に従って西から回ると、すべて未舗装道路を通らずに行けます。