早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

神戸の水害を伝えた新聞記事 自然への畏敬を忘れる

橋脚にしがみつき九死に一生 神戸の水害で男性語る アサヒコム

(前略)
能勢さんは「増水は想像を超える速さだった。濁流にのみこまれた人は逃げる間もなかっただろう。こんな悲惨な事故は二度と起きてほしくない」と振り返る。


きのうの神戸の水害で、橋脚にしがみついて助かったひとにインタビューして、そのとき何が起こったのかをありありと描き出した新聞記事だ。しかしそのいい仕事を、最後に置いた一文で台なしにしてしまった。

「こんな悲惨な事故は二度と起きてほしくない」は、助かったひとの発言として書いてあるが、執筆した記者の意思と価値観によって、まとめの言葉として据えられたものである。

新聞記事はこの災害を理知的に生き生きと描写している。しかし、最後のこの一文だけがとってつけたように情緒的だ。誰かに過失があって、そのためにこの悲惨な事故が起きたかのよう読めてしまう。しかし、きのうの水害は誰かに過失があったから起こったのではない。大自然の圧倒的な力にひとが打ちのめされたのだ。

たしかに悲惨な災害だったが、「二度と起きてほしくない」と念じてもそれは叶えられない。このような災害は、ときを置いてかならず繰り返す。ひとのちからでそれを止めることはできない。この記事を書いた記者は、ひとの手が及ばない圧倒的な自然に対する畏敬の念を忘れたように思う。

深さ100キロ、マグニチュード7地震の警報

00時26分に岩手県で起きた地震は、緊急地震速報の新たな欠点を露呈してしまいました。

深さ108キロというから、この距離なら速報が十分間に合うはずだと私は思っていたし、気象庁も思っていたでしょう。しかし警報は遅れました。警報(第6報)が出たのは、地震波の検知から20.8秒もあとのことでした。それは地震波(S波)が岩手県内全域を通過したあとでした。水平方向に100キロではうまくいっても、垂直方向の100キロはうまくいかないことが今朝の地震で露呈しました。

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 気象庁

予報(第1報)は、地震波検知から4.1秒後にでました。しかし震源が深かったため、P波の性質だけから震度を正しく予測することは困難だったようです。システムは、マグニチュード5.8、最大震度4と予測してしまいました。警報の基準を満たす震度5弱が予測されたのは20.8秒後の第6報でした。それは、震度5弱がじっさいに観測されたあとでした。緊急地震速報は、間に合わなかったのです。

しかし、けがをしたり財産を失った方には申し訳ないですが、100キロも深くてマグニチュード7程度の地震では人が死ぬようなことはほとんどありませんから、このような地震の場合は警報が間に合わなくても甚大な損失はないと考えることもできましょう。100キロ深でもマグニチュード8なら地震波検知直後の第1報で警報が出るだろうと期待します。

なお、この地震は日本列島でふつうに起こる逆断層型ではなく正断層型でした。日本列島の下に斜めに沈みこむ太平洋プレート・スラブが、下に引っ張られて引きちぎれて生じた地震だったのでしょう。

ハレマウマウ火映復活

ハレマウマウの火映は、6月にはいって弱まっていた。ウェブカメラに写らなくなっていたが、7月にはいって2晩目のきょうはひさしぶりに赤く見えている。ハワイ火山観測所のハレマウマウカメラ

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