山口県防府市の特別養護老人ホームを、背後から土石流が襲って建物を貫通して玄関から出た。梅雨末期の大量降雨による典型的な土砂災害である。報道によると、死者行方不明者合わせて10人ほどだという。土石流が発生したのはきのう(21日)12時20分のことだが、いま(22日7時)の時点でも、老人ホームから水が大量に流れ出している。民放テレビ2局(JNN, NNN)が現場から映像を伝えた。後者の放送中に、到着した消防車が通れずに立ち往生する場面があった。山口県はきのうのうちに自衛隊に派遣要請したが、防府市がいまもってここを警戒区域に指定していないのはなぜなのだろうか。
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空中写真や登山スナップ写真で見ると、トムラウシの山頂をつくる溶岩ドームの地形はとても新鮮に見えます。完新世(最近の1万年)に噴火した可能性があると思ったので、1998年8月に現地へ調査に行きました。その結果、溶岩の表面が厚い風化皮膜で覆われていることなどから、完新世ほど新しい溶岩ドームではないと判断しました。
![fogs[1]](https://blog-imgs-26-origin.fc2.com/k/i/p/kipuka/20090717194819ec8s.jpg)
奥深い山です。日帰り登山は困難だったので、ひとり用テントを購入して持参して、山頂で1泊しました。私が登った日はとても暑かったので、北沼で泳ぐことができました。沼の岸に雪渓があったから、あそこで泳げることはめったにないのだろう。
きのう9人が死亡したそうです。強風で体温を奪われたのが死因だったようです。たしかにきのうは、久しぶりに登った日光白根山でも風が強くて寒かった。青空が見えているのに信じられないくらいの冷たい空気だった。
旅行会社によるツアー登山だったので、即席パーティーだったことと日程に余裕がなかったことが命取りになった。どんなに雨風が強くてもスケジュールを消化しなけらばならない強迫観念がパーティー内で支配的だったのだろう。客の命よりも日程消化が優先されてしまった。冷静に判断すれば愚かであることがあきらかなのだが、現場の空気は別のものが支配したのだろう。
トムラウシ山という日本百名山のうちでもっとも難しい山を征服することは、命をかけても惜しくないことなのかもしれない。その評価は本人にしかできない。