fc2ブログ

早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

放射能とつきあう

東葛が放射能に汚染されているのは事実です。新宿は0.1マイクロシーベルト毎時ですが、東葛はその4倍の0.4です。これは、3月21日に放射能の粒が雨と一緒に降って、いまも地表にあることによります。そこから放射線が出ています。

その日、何をしていたかはもはやあまり関係ありません。その日からいままでどこでどうしたかが関係あります。校庭や公園の地べた。草むらや枯れ葉の山。そういうところに放射能が隠れています。過去2ヵ月の間にそういうところによく行った人は、それなりの被ばくをしたと承知してください。

たぶん1ミリシーベルトくらいでしょう。1年に許される被ばくを2ヵ月で消費してしまいました。いままでの被ばくは仕方ありません。元には戻りません。残りの10ヵ月を、放射能をできるだけ避けて生活してください。放射能は見えません、匂いもしません、音もしません。人にはまったく知覚できません。測定器だけが検知できます。

放射能はホコリに付着しています。家の中をそうじしてください。ぞうきんでふきとってください。カーテンを洗濯してください。ベランダの床をデッキブラシでこすってください。この放射能は2年で3/4になります。6年で1/2になります。そのあと20年ほとんど変わりません。この放射能は3年で半分になります。その後の減り方は小さくて、30年後に14%になります。(6月20日修正)

ホコリを吸いこまなければ、東葛の空気は安全ですが、食物からの被ばくはできるだけ避けてください。西日本あるいは外国の食材を求めるようにしてください。

東葛の0.4マイクロシーベルト毎時は、チェルノブイリでいえば第三区分(移住権利区域)です(フクシマとチェルノブイリの比較参照)。 深刻ではないが、注意しなければならない程度の汚染です。かならずしもそこに住む必要がないひとは他所に引っ越したほうがよい程度の汚染です。除染して注意すれば、そこで子どもを育ててよいくらいの汚染です(たぶん)。

一方、福島市は2.0マイクロです。チェルノブイリでいえば、第二区分(移住必要地域)。少なくとも子どもはそこからすみやかに退去させる必要があります。飯舘村は20マイクロです。チェルノブイリの第一区分(居住禁止)は3マイクロ以上ですが、役場前でも8マイクロらしい。事故から2ヵ月半たって、そこに人がまだ住んでいるなんて狂気です。電光掲示板立てて喜んでいる場合ではありません。

0528.gif 
飯舘村役場前にきのう設置された電光掲示板「10秒ごとに更新された数値が表示される。データを蓄積できるため、後に分析することも可能」(読売新聞) そのころは死んでるだろう。

無断転載か引用か、早急にフェアユース導入を

きのう第三者通報によってTBS報道特集2月5日動画をYouTubeが削除した理由については、本年、文部科学省に採択された私の科研費の研究課題「インターネットを活用した情報協による新しい地学教育」(3年間内諾)に照らして徹底的に争う。

YouTubeが利用規約に基づいて二つの動画を削除したことは承諾するが、著作権法に違反していたと私は考えていない。これは引用である。このような引用を許さない国には将来がない。まともな文化が育つとは思えない。法に照らして引用と認められないというなら、それは現行法が不適である。法律を正さないといけない。

この使い方は米国ではフェアユースとして認められている。該当動画を下に置く。これが引用に当たるか転載に当たるか、できるだけ多くの方が見て判断してほしい。

JNN報道特集(2011.2.5)からビデオクリップ(動画コンテンツは削除されている)
新燃岳噴火の火山学的解説
高原町長が30日深夜、避難勧告した理由

YouTubeにおいた上記動画は、5月25日に削除されましたので、下に置き換えました。(5月26日)
新燃岳噴火の火山学的解説
高原町長が30日深夜、避難勧告した理由

もともとのエントリ 「2月12日 今後の可能性

この件に関係あるかどうか知らないが、おととい(24日)、日本地球惑星科学連合2011年大会(幕張メッセ)で私が発表した「気象庁が2007年に導入した「噴火警報・噴火警戒レベル」の問題点」(映写したスライド)

航空機による放射能汚染地図

1304694_0506_ページ_1 1304694_0506_ページ_2 1304694_0506_ページ_3 1304694_0506_ページ_4
空間線量率(uSv/h)、セシウム134+137(Bq/m2)、セシウム134(Bq/m2)、セシウム137(Bq/m2)。文部科学省と米国DOE、2011年5月6日発表。

チェルノブイリでは 55万5000 Bq/m2 以上の住民は移住を強いられたらしい(その後戻ってきて、いま19万人住んでるらしいが)。それは空間線量率でいうと、1.11 uSv/h に当たると私は換算したが、文部科学省は 1.9 uSv/h に当たると換算したようだ。

守谷-柏-金町汚染スポット

kashiwa.png

茨城・千葉・東京の1都2県にまたがる汚染スポットがある。0.5マイクロの等値線を引き直した(データ数が多くなりすぎためかグーグルマップに不具合あります。上手に見てください)。この汚染スポットをつくったのは3月21日の雨。そのメカニズムはシミュレーションできている(gradi)。放射線量の数値は、@nnistarさんの図がいま一番新しくて詳しくて見やすい。 

フクシマの放射能地図。4月21日エントリ。等値線マップと東大柏の数値が高い理由の説明あり。

東葛汚染スポット発見と社会的認知の経緯

学童集団避難計画(具体的な提案)

4月10日に考えたことをいままとめます。

まずは小学生に限って考えます。
・福島県中通りの小学3年から6年まで全員を、学校単位で日本全国に受け入れてもらう。
・(1年目は)教諭も同行する。
・小学校の空き教室で受け入れる。
・ひとつの小学校が丸ごとひとつの小学校に移るのが理想だが、現実には複数の近隣小学校がグループを組んでクラス単位で受け入れることになろう。
・避難児童は、受け入れ小学校の児童家庭から申し出を募ってホームステイさせる。
・兄弟はできるだけいっしょにする。

・小学2年以下が親元を離れて避難するのはむずかしい。幼児・乳児と同じように、この計画とは切り離して母親と一緒に避難するのがよい。
・既存クラスに避難児童を少人数ずつ入れ込むのは避ける。
・中学生についても同様の計画が考えられる。
・高校生は転校するのがよいだろう。寮かアパート住まい。



戦時中の学童疎開は、毎月10円(コメ30キロ分)の自己負担が課せられた。