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早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

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・八訂版を2013年2月8日から発売しています。
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西之島2013年噴火

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国土地理院の地図閲覧サービスを使って作図した。

▼2013年
11月20日1020、海上自衛隊が噴煙発見。1620海上保安庁が新島確認。スルツェイ式噴火でタフコーン形成。
11月22日1600、タフコーンの中腹を破って流れ出た溶岩確認。タフコーンの上にストロンボリ式噴火でスコリア丘をつくっている。
12月4日 マグマの噴出率は毎秒1トン程度。
12月25日 旧島と接合(朝日新聞社機)

▼ツイートまとめ
西之島2013年11月噴火
西之島噴火の撮影と試料採取の勧め
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東京電力報告書、2013年12月13日

福島第一原子力発電所1~3号機の 炉心・格納容器の状態の推定 と未解明問題に関する検討
第1回進捗報告 平成25年12月13日 東京電力株式会社

重要図面抜粋

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50年前の「科学」に掲載された松井健さんの意見:ロームは火山灰を意味しない

岩波科学12月号に、「50年前の紙面は」というコラムがあって、そこに松井健さん(土壌学者)のロームに関する意見があった。こういうことが書いてあった。最近ロームという言葉が日本で使われる。しかし、ロームはほんらい欧州で特殊な粒度組成をもつレスなどをいう言葉であって、火山灰の意味を持たない。日本のロームはほとんど火山灰であるから、これをロームと呼ぶのはふさわしくない。おおむねこう書いてあった。

ここには重大な事実誤認が二つある。1)日本のロームはまさしくその粒度組成を持つ、2)日本のロームは火山噴火で降り積もった火山灰ではない。火山灰を多く含むレスそのものである。この松井さんのこの意見が学界を長く苦しめた。松井さんひとりが悪かったのではない。学界に属していた構成員全員が悪かった。そして、この誤認識はまだ脈々と息づいている。どうしたものか、この50年。

ロームは、火山灰を主とするレスである。風塵の堆積物である。火山噴火によって直接降下堆積した火山灰層ではない。そういった火山灰層や軽石層はロームの間に挟まっている。ロームは、火山が(顕著な)噴火をしなかったことを示す堆積物である。

東京の山手台地を厚く覆う赤土(ローム層)を、富士山が噴火して降り積もったと認識するのは大間違いである。富士山の能力を過大評価してる。多摩川や野川の土手から春先に巻き上がった風塵が、台地の上に毎年0.1ミリずつ積もって赤土ができた。1万年で1メートルだ。