
桜島昭和火口から上昇したブルカノ式噴煙。井村隆介さんが2015年3月29日1857撮影。
この写真から火山噴煙の特徴がたくさんわかる。・根元が切れている。ブルカノ式爆発では火山灰放出が数分で終わる。このような短時間の放出をサーマルという。長時間続くとプルームという。いまの桜島では灰噴火がプルームだ。
・噴煙の上部が平らだ。大気は密度と温度に関して成層してる。そのなかを火山噴煙が上昇できる高さは、爆発で供給された熱量で決まる。噴煙を上昇させる原動力は浮力だ。
・噴煙が左に傾いている。上空ほど風が強いからだ。
・噴煙から落下する火山灰が写っている。左から右に斜めに降っているようにみえるが、これは上空ほど風が強いせいによるみかけだ。特定の火山灰粒子に着目すると、右から左に降っている。風は右から左。
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第6回甲状腺評価部会(2015年3月24日)における春日文子委員の発言
(受けなくてもよかった手術を受けたことになるが、)それでもいまの検査体制を続けることの正当性は、二つの組み合わせでしか説明できないと考えています。
そのひとつは、事故の被ばくによって将来甲状腺がんが発生する可能性が否定できないということ。
二番目としましては、事故の影響として甲状腺がんが増加したかしなかったかを疫学的に検証し、県民そして国内外に示す必要があるということ。
この二つの両方を満たすことでしか、この検査体制を正当化できない。つまり、先ほど言いましたように二重のリスクを県民が負担しなければならないというこの状況を十分に説明できないと思うわけです。
このことをこの評価部会としてもしっかり認識した上で、それでも県民の皆さんに検査を続けていただきたいと思いますと責任を持って書くべきだと思います。
検査を続けてほしいという県民の声があることはもちろん受け止めますけど、それだけでは理由にならない。
また、不安解消のためにということもそれだけでは理由にならない。
きちんとリスク負担を県民に求めているものですよとはっきり責任を持って言った上で、それでもやはり検査は継続すべきだとこの評価部会としては考えますときちんと盛り込むべきというのが私の意見です。
甲状腺研究の推進のために福島県の子どもたちは犠牲になれと主張していると私は読んだ。リスク負担を強いていると読んだ。この春日発言はそのあとに続いた他の委員からも支持されて、この部会の最終意見となったようにみえた。さて、これは、はたして倫理的に許されることなのだろうか。 【“甲状腺検査を続ける理由”の続きを読む】