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早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

SO2 OMI NASA

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6月16日             6月23日            6月25日

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7月2日

http://so2.gsfc.nasa.gov/
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調査のための御嶽山入山申請は不許可 王滝村長

王滝村長あてに御嶽山の調査許可願いの手紙を出したら、不許可の通知が手紙で来ました。

平成27年6月19日

群馬大学教育学部
早川由紀夫様

王滝村長 瀬戸 普

御嶽山入山許可の可否について

平成27年6月4日付けで申請のあった調査のための御嶽山入山許可については、不許可とするので、通知します。

不許可とする理由
 御嶽山は昨年9月の噴火により、行方不明者の捜索活動が継続しており、王滝口登山道の入山規制について、捜索活動継続中は、原則として捜索活動関係者に限定して、入山を許可している。そのため、現段階では調査研究目的のみの入山はできない。
 また、捜索活動終了後、王滝村災害対策本部では、警戒区域内への調査研究目的の入山について、
(1)調査研究の内容が、今後の防災対策に資する目的であること。
(2)入山にあたっては、気象庁との情報連絡、火山ガス対策等、万全な監視体制、装備が具体的に明示されていること。
 以上、2点を入山許可の条件とします。


2015年6月4日

王滝村長
瀬戸 普さま、

突然の手紙を差し上げて申し訳ありません。
私は、群馬大学で火山の研究をしている早川由紀夫と申します。

昨年あった御嶽山の噴火に関心を持っています。「地理」という雑誌の先月号に掲載した論文のコピーを1部添付します。この論文のなかで私は、昨年9月27日噴火の死因は、火口から直接飛来した大岩に当たったことによるのではなく、高空から落下した多数の小石に当たったことによると書きました。

この私の解釈を、現地に行って確認したいと希望します。もし私の解釈が正しければ、火山学でこれまで知られていなかった災害に当たります。噴火が残した地層を観察すれば、私の解釈の当否が判断できるだろうとみています。

ホームページを見て、田の原駐車場まで車で乗り入れられることがわかりました。車をそこに置いて、山頂まで登山して調査したいと希望します。村長の許可をいただけませんでしょうか。

実施時期は、6月下旬から7月までの天気がよい日を選びたいと思っています。私以外に、助手を3人ほど連れて登りたいと考えています。

群馬大学教育学部教授
早川由紀夫


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浅間山2015年6月16日噴火


橙線は1 g/m2。赤の同心円は、山頂火口中心から0.5、2.0、4.0 km。
400トン。主体は9時半ころだったらしいが、その後夕方まで降り続いた。

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山頂火口から7キロ北で@610Sonodaさんが1050に撮影。1 g/m2。右は顕微鏡写真。

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その夜、山頂火口の上に火映が見えた。

火山の4キロ円比較

火口中心から測って4キロはマジックナンバーである。爆発時に弾道起動を描いて火口から投出される大岩はせいぜい4キロまでしか到達しないことが、20世紀前半に浅間山で頻発したブルカノ式爆発で経験として蓄積された。弾道学によってそれ以上飛ばないことが保証されているわけではないが、火山防災のための目安として有効である。また、空から降る小石や火砕流のリスクを考慮するときも、4キロはよい目安になる。ここでは、各火山の4キロ円(赤色)を比較してみよう。外側に橙色で8キロ円を示した。

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浅間山と御嶽山は、4キロ円の中に人家はない。箱根山は4キロ円の中にたくさんの人家とホテルがある。口永良部島は4キロ円の中にだけ人家がある。

火山はめったに噴火しない。それでも小さな噴火はときどき起こるが、大きな噴火はまれにしか起こらない。小さな噴火をときどきしている火山の人々は火山との付き合い方に慣れている。そこでは壊滅的な災害が起こらない。静かな火山の懐深くに人々が近寄ったあと、大きな噴火が起こると街が壊滅する。

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