誤解1 (チェルノブイリとの比較)
× ふくしまの放射能汚染はチェルノブイリほどひどくない。ふくしまは、チェルノブイリとは違う。
◯ ふくしまの放射能汚染はチェルノブイリと同じだけひどい。ふくしまはチェルノブイリと違わない。
ふくしま原発事故で出た放射性物質はチェルノブイリの10分の1だが、人口密度が10倍なので集団被ばく線量は同じになる(2016年12月7日エントリ)。したがって、放射能による人体への健康被害の出現率は同じになるはず。日本に伝えられているチェルノブイリの健康被害は再評価が必要。
誤解2 (放射性物質の放出時間)
× 3月12日と14日にあった2回の水素爆発で放射性物質が出た。
× 放射性物質は、事故後3月末までの2週のあいだずっと出続けた。
◯ 放射性物質は、東電がベント操作するたびに出た。1回の放出時間は30分程度だった。
放射性物質がずっと出続けたわけではなかったのが最もわかりやすい観察事実は、汚染軸が原発を通らないことだ。短い放出時間内に風向きが大きく変化したことを反映して南に4キロずれている(2013年10月15日エントリ)。2週間ずっと出続けたとして計算したSPEEDIの結果は、実際の汚染分布と大きく違う(2013年10月26日エントリ)。
誤解3 (浪江町津島)
× 津島に避難した浪江町民は放射能にひどく汚染された。
◯ 津島に避難した浪江町民は、3月15日に濃い放射能霧がやってくる直前に二本松市に再避難した。
詳細事情は、2017年8月2日ツイートまとめ「津島に避難した浪江町民が大量被ばくしたの誤解が6年間なぜ放置されたままなのか」をお読みください。
誤解4 (甲状腺がん)
× 福島県の子供にみつかった甲状腺がんは原発事故で被ばくしたからできた。
◯ 福島県の子供にみつかった甲状腺がんは、検査によって無理にみつけたものだ。被ばくする前からあった。
福島県の甲状腺検査は、「事故の影響として甲状腺がんが増加したかしなかったかを疫学的に検証し、県民そして国内外に示す必要がある」から実施されている。(2015年3月25日エントリ)。つまり、子供たちの健康を守るためではなく、学術的興味関心を満たすために実施されている。そして大勢の子供たちの身体を傷つけている。倫理的にはとうてい許されないことが、原発事故後の非常時を理由に、いま福島県で進行している。
誤解5 (年1ミリシーベルト)
× 毎時0.23マイクロシーベルトが年1ミリシーベルト追加にあたる。
◯ 毎時0.76マイクロシーベルトが年1ミリシーベルト追加にあたる。
環境省が2011年10月10日に、毎時0.23マイクロシーベルトが年1ミリシーベルト追加にあたると文書発表したが、これは過大だった。じっさいには0.76マイクロシーベルトがそれにあたる(2013年10月6日エントリ)。