早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

噴火警戒レベル表(3) 大規模噴火の定義

気象庁は、大規模噴火・中規模噴火・小規模噴火の語を火山ごとに異なる定義で使っている。

樽前山
注2)大規模噴火とは、噴煙が1万m以上上がり、火砕流が広範囲に流下し、それに伴う融雪型泥流が発生するような噴火である。
注3)中規模噴火とは、噴煙が数千mまで上がり、噴石が火口から2~3kmまで飛散し、小規模な火砕流やそれに伴う融雪型泥流が発生するような噴火である。
注4)小規模噴火とは、噴煙が1,000m以下まで上がり、噴石が山頂火口原内外に飛散するような噴火である。


富士山
注2)ここでは、噴火の規模を噴出量により区分し、2~7億m3を大規模噴火、2千万~2億m3を中規模噴火、2百万~2千万m3を小規模噴火とする。なお、富士山では火口周辺のみに影響を及ぼす程度のごく小規模な噴火が発生する場所は現時点で特定されておらず、特定できるのは実際に噴火活動が開始した後と考えられており、今後想定を検討する。


火山によって異なる定義はすみやかに撤回して、すくなくとも日本の火山については同じ基準で大規模噴火・中規模噴火・小規模噴火の語を用いるべきである。

学界での先例に倣って、規模は噴出量を指す言葉とするのがよい。樽前山での使用法を捨て、富士山での使用法に統一するのがよい。樽前山の大中小は、強度の強並弱で表現するのがよいだろう。

なお富士山の注2)には、難点が二つある。規模の単位が体積で表現されている。マグマは地表に噴出すると膨らむ。その膨張率は、溶岩になった場合は数割に留まるが、火山灰になった場合は数倍になる。この差は無視できない。どうしても体積で言いたいなら密度を付すべきである。あるいは溶岩換算とかマグマ換算とかを必ず添える。もし規模を重量で言うことにすれば、このような面倒から開放される。

もうひとつの難点は、「ごく小規模な噴火」が意味するところが不明なことだ。「ごく小規模な噴火」とは「2百万~2千万m3を小規模噴火とする」の中に入るものなのか、それともそれより小さい噴火を言うのか。もし後者なら、「ごく小規模な噴火」も定義するべきだ。

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