早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

気象庁活火山リストの歴史

久野活火山時代(1968年~1991年) 77火山
・歴史時代に噴火記録があった火山と噴気および熱異常がある火山を活火山とした。
・久野久がリストをつくったらしい。1979年に噴火した御岳山と1989年に噴火した伊豆東部が(想像される基準からみるとやや奇妙だが)リストに入っていたことは、気象庁の活火山リストの面目を保った。
・休火山の大半が含まれていなかった。
・活火山と休火山の間に線を引いた基準だったといってよいだろう。

2009年3月13日追記
久野久の時代のこととして、次の二つに言及しておくべきだ。
 当時の国際的火山学コミュニティは、Catalog of the Active Volcanoes of the World (CAVW)をもっていた。それは、地域ごとの火山カタログ集として10冊程度にまとめられて刊行された。もちろん英文である。日本部分は久野久によって1962年に書かれた。1968年に気象庁が選んだ77火山は、その日本部分に掲載された火山の数と同じなのだろうとみられる(確認必要)。
 もうひとつ。日本火山学会はBulletin of Volcanic Eruptions (BVE)を英文で毎年刊行していた。これは1990年代まで続いたが、スミソニアンが毎月出していたSEANとの兼ね合いがあったらしく、いまは刊行されていない。SEANはいまの Bulletin of the Global Volcanism Network (BGVN) の前身である。


2000年活火山時代(1991年~2002年) 83火山、86火山
・歴史記録の不完全性と地域的偏差を解消して、2000年間に噴火したかどうかで判断することにした。初めて数値基準が導入された。
・追加された火山:丸山、恵庭岳、倶多楽、十和田湖、榛名山、海徳海山と噴火浅根の分離(1991年2月)。燧ヶ岳、羅臼岳、北福徳堆(1996年)。
・まだ多数の休火山が含まれていなかった。
・中途半端な移行期だった。

1万年活火山時代(2002年~    ) 108火山
・2000年を国際基準の1万年に改めた。
・休火山のほとんどが活火山として登録された。
・追加された火山の例:利尻山、羊蹄山、ニセコ、肘折、沼沢沼、北横岳、利島、御蔵島、阿武、福江、米丸、池田湖。
・漏れた火山:鷲羽池、志賀、(奥日光)三岳、そして従来からの赤城山。
・気象庁判断が疑わしい火山:利尻山、ニセコ、高原山、阿武
・休火山と死火山の間に線を引いたものと理解できる。
・1万年を少し超える昔に噴火した火山の取り扱いが今後の課題として残された。男体山、赤城山、大山。

日本には完新世火山がいくつあるか? (1999年1月稿)

Bulletin of the Global Volcanism Network (BGVN)
現在の気象庁リストでは、Aランク火山と一部のBランク火山が日本語辞書の意味での活火山に相当する。残りのBランク火山とCランク火山が休火山に相当する。

防災面から言うと、活火山と休火山の間より、むしろ休火山と死火山の間に重要な境界がある。活火山と休火山を合わせて生火山 (live volcano) と呼ぼうと提案されたことがあるが、広まらなかった。

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