早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

1時45分に茨城県沖で発生した地震の情報伝達

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緊急地震速報は間に合わなかった。速報は、地震波の主要動(S波)が新潟市を通過する頃にやっと出た。

reachtime[1]

しかし検知システムは、海底で発生した地震波の主要動が人が住む陸地に到達する前に情報を吐き出していた。その第一報は地震波(P波)検知から9.3秒後に出力されたという。それは東京に地震波の主要動が到達するより20秒も前だった。この情報が一般向けに緊急地震速報として伝達されなかったのは、陸域での震度が4を超えないだろうとシステムが判定したからだったという。

その後も次々と集まってくる多点のデータを取り込んで再計算を繰り替えしたシステムは、ついに地震波検知から58.3秒後、震度5弱になる判定を下し(あるいは震度5弱を観測した情報がシステムに組み込まれて)一般向けの緊急地震速報となった、らしい。

今朝の地震は、緊急地震速報の効果を社会に知らしめるためにまさしく適当な場所で発生した。しかし地震がやや小粒だったためと検知システム能力が不十分だったために、残念ながら速報することができなかった。気象庁は不運だった。

図は、気象庁ページから転載した。地震の概要ページも参照した。

コメント

緊急地震速報

「しかし検知システムは海底で発生した地震波が人が住む陸地に到達する前に情報を吐き出していた。その第一報は地震波検知から9.3秒後に出力されたという。」
意味不明です。陸地にある装置が地震波を検知してから、9.3秒も経ってから情報を吐き出したのではないですか?こんな20年前のユレダスにも劣る能力の低いシステムしか開発できない気象庁が法律で警報を規制することの異常さが問題です。
決して気象庁が不運だったのではありません。気象庁による警報は早く辞めさせるべきだと思います。正確な情報を地震後早く出させるほうが重要です。

ユレダスを開発した輝かしい業績をもち、この分野の第一人者である中村豊さんからコメントを頂いて恐縮します。

「意味不明です」とお書きになりましたが、意味は通っていると思います。しかし、私の書き方が不十分でした。次のように「主要動」の文字を加筆します。

「しかし検知システムは、海底で発生した地震波の主要動が人が住む陸地に到達する前に情報を吐き出していた。」

本文で引用した気象庁ページには地震波検知からの経過時間が明記してありますが、発震時刻が書いてありません。そのため理解が簡単ではないですが、この気象庁ページ(だけ)から得た私の解釈は次のようです。

震源に一番近い海岸の観測点までの距離は90キロ。7キロ/秒で伝わるP波が発震から12.9秒後にこの観測点に到達した。計算に9.3秒かけて22.2秒後に情報を出力した。この観測点を3.5キロ/秒で伝わるS波が通過したのは25.7秒後だったから、そこには3.5秒の余裕があった。

したがって、中村さんがおっしゃる「陸地にある装置が地震波を検知してから、9.3秒も経ってから情報を吐き出した」で間違いないと思います。ただしそこでいう地震波はP波です。そして計算に要した9.3秒は、その装置をS波が通過するまでに許された時間より短かった。

きょうの地震は、緊急地震速報を業務化した気象庁にとっては不運だった思います。もう少しマグニチュードが大きければ、みごと事前速報を果たして手柄を立てることができたでしょうに。

気象庁が地震「動」や噴火の警報を出すことの適否はこれとは別次元の問題です。その適否について、とくに噴火警報についての私の意見は火山監視行政カテゴリーをお読みいただけるとすぐにおわかりいただけると思います。

気象庁は観測した情報を地震後できるだけ早く正確に出すことに専念するべきだとする中村さんのお考えに、私はまったく賛成です。

  • 2008/05/08(木) 21:40:02 |
  • URL |
  • 早川由紀夫 #eWKQhjJU
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