早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

モンセラ島の壊滅的打撃と雲仙の幸運

西インド諸島のイギリス領モンセラ島 (Montserrat) で溶岩ドームの上昇とともに熱雲が発生して海岸の町に深刻な被害が出ていることは、1995年の噴火開始から知っていました。火山の名前は巣不利エールヒルズです。ナショナル・ジオグラフィックが1996年に放送した海面上を前進する熱雲の動画を、毎年の授業で学生に見せています。

深刻な被害が発生しているだろうことは想像していましたが、被害の内容を具体的には知りませんでした。最近になって、溶岩ドームから4キロしか離れていないところに島の中心であるプリムス (Plymouth) の町があって、それが文字通り壊滅したことを知りました。噴火前のプリムスの人口は4000人ほどでした。一週間前にもまた熱雲が発生して、海岸まで達する途中でプリムスの町に火災を引き起こしたそうです。プリムスにまだ燃えるものが残っていたのかと驚く声を聞きました。

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グーグルマップでみたスフリエールヒルズ火山と、完全に破壊されたプリムスの町。

1991年6月3日、雲仙岳の熱雲に43人が飲み込まれて犠牲になりましたが、雲仙岳の場合は熱雲によるそれ以上の破壊はほとんど起こりませんでした。モンセラの事例と比べると、水無川沿いに熱雲が海まで壊滅してもおかしくない地理条件でした。そうならなかったのは、不幸中の幸いと言うしかありません。また、モンセラ島の噴火はもう13年を超えました。まだ続いています。雲仙岳の深刻な噴火は5年ほどで終了しました。これも、幸いにも短かったというべきでしょう。

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グーグルマップでみた雲仙岳と島原市・深江町。

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