早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

2009年2月1日の気象庁噴火予知と市町村防災対応

4年前の2004年9月1日、気象庁は浅間山が噴火する可能性を内部では考えていた。しかし同日11時45分に発表した火山観測情報6号を単なる注意喚起に留め、危険レベルを2に据え置いた。その8時間後の20時02分、21年ぶりの強い爆発が発生してしまった。こうして、浅間山では大きな噴火が起こる前にレベル3を宣言できる(山里ほか2004火山)とした気象庁の自信があっさりと打ち砕かれた。しかし、そのあと11月まで数回あった爆発の過半について、気象庁は事前に実質的警告情報を出すことに成功した。

2008年8月8日に気象庁は、浅間山の危険レベルを1から2に引き上げた。

2009年2月1日13時、気象庁は噴火警報を発表して「居住地域の近くまで影響を及ぼす噴火が切迫していると予想されます」と、明確な噴火予知と警告をおこなった。その日は日曜日だった。中日新聞によると、「2日以内に2004年と同程度の噴火は想定できる」と、長野地方気象台防災業務課の大谷晶課長が、長野県の浅間山噴火警戒連絡本部会議で説明したという。

気象庁の噴火警報を発表受けて、嬬恋村は鬼押ハイウェイのうち峰の茶屋からすずらん坂までの7キロ区間を、軽井沢町は白糸ハイランドウェイを、ただちに通行止めにした。おそらく事前相談があったのであろう。どちらも有料区間である。小諸市は、火口から2キロにある火山館を閉鎖した。ただし館内の閉鎖作業に時間がかかり、管理人の下山は翌朝になった。

噴火は2月2日1時51分に始まった。爆発によって山頂火口から放出された火山弾は空中を1キロ飛行した。火口上空2000メートルまで上昇した噴煙(利根砂防東カメラ西カメラ)は北西からの強風に吹かれて移動して、軽井沢から富岡、秩父、横浜に至る狭くて長い範囲に火山灰を降らした。火山灰分布の幅が極端に狭かったのは、風が強かったことだけでなく噴煙が海抜4500メートルまでしか上昇しなかったことにもよる。

噴出量は2万トン程度だった(GSJmap)。爆発音や震動は小さかった。火山弾と火山灰の放出は10分余り継続したから、この噴火様式はブルカノ式だったとは言えない。あえて分類すれば、ストロンボリ式になる。2004年9月16日夜とよく似た噴火だった。

w200902020210[1]
利根砂防西カメラがとらえた2月2日2時5分の浅間山噴火。山頂から立ち昇る火山灰雲の基部に、火口から噴き出して地面に着地した高温の火山弾が赤く輝いて見える。

2月3日13時、嬬恋村と軽井沢町は鬼押ハイウェイと白糸ハイランドウェイの通行止めを解除した。

コメント

ご帰国が待ち遠しいです

やはり先生の説明はわかりやすい。
ワシントンご滞在中とか?
帰国されたら、あらためて詳しく解説下さい。

  • 2009/02/15(日) 09:01:06 |
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  • 軽井沢別荘住民です #RAa2TALo
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