早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

桜島でも噴火警報の「切替え」 火山弾が2キロまで

気象庁はきょう、桜島でも噴火警報の切替えをしたと発表した。どうやら、気象庁がいう切替えとは、同じレベルの中でも危険度を微妙に上げ下げすることを意味するらしい。これは、日本語文化圏の人にとって、けっして自明のことではない。気象庁は説明責任を果たしていないと私は考える。そもそも切替えと言っただけでは、危険が増したか減じたかが伝わらない。これは不完全な情報発信である。

火山名 桜島 噴火警報(火口周辺)
平成21年3月10日07時10分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**

<桜島に火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)を切替え
 火口から居住地域近くまでの範囲で警戒が必要。
<噴火警戒レベル3(入山規制)が継続>

**(本 文)**
1.火山活動の状況及び予報警報事項
 桜島の昭和火口で、本日(10日)05時22分に爆発的噴火が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が2合目(昭和火口より2km付近)まで達しました。
 桜島の噴火活動は活発化する恐れがあり、火口から居住地域近くまでの範囲で弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。
(以下略)


じっさい、きょうの切替えは危険度が上昇したことを気象庁は伝えたかったのだろうと想像するが、それは自明なことではない。上の情報文には危険度が上昇したことが明示的に書いてない。

一方、2月3日の浅間山の切替えは危険度が低下したことを伝えたかったのだろう。これもそうは明記してなかった。2月3日から浅間山の危険度が少しだけ低下したと気象庁が判断を「切替え」たと理解できた人は、私を含めてほとんどいなかっただろうと推察される。


なお、桜島では山頂から概ね2km の範囲が立ち入り規制となっていましたが、今回の噴火警戒レベル3(入山規制)の切替えにより、規制範囲は2 km を超える有村地区の一部の道路まで拡大されます。


この気象庁発表文を読んで、規制主体が実は気象庁ではないことを正しく理解できるひとはほとんどいないだろう。これは、正しく理解できない読者の責任ではなく、このような発表形式をとる気象庁に、ひとを欺こうとする意図があるとみるべきだ。規制権限をもっているのは、じつは地元市町村長だ。

さて規制権限もつと同時に責任を負っている鹿児島市長はどうだろうか。鹿児島市のホームページをみると冒頭に

 緊急情報
※現在、緊急情報はありません。


と書いてある。桜島の危険を伝える防災情報はみつからない。トップページからリンクされた防災情報のページにも何もみつからない。

防災情報システムでは、災害発生時や発生のおそれがあるときには、災害緊急情報により災害への対応に必要な情報を可能な限りリアルタイムに掲載します。


と書いているのにだ。なげかわしい。もしかすると鹿児島市長は自分自身に桜島火山防災の権限と責任があることを知らないのではないか。気象庁が、避難するかしないかの判断だけでなく(これすら災害対策基本法に抵触しているのだが)、周知広報までやってくれると大きく誤解しているのではないか。

コメント

意味不明な「切替え」

「切替え」の文字を見たときは、一瞬レベル4になったのかと思いましたが、レベル3のままなんですね。発表文を「少し変えた」だけなんて、よく読めばプロはもちろん欺けませんが、素人の方々は欺けるのかもしれません。
気象庁は、噴火警戒レベルまで、気象庁震度と同じように「強」「弱」を付けようとしているのかと疑念を抱くと共に、『火山の予報・警報』を独り占めにして何を目論んでいるのか、火山情報の操作をどうしたいのか、声を大にして警鐘を鳴らすべき時に来てしまったと考えます。

最後に、個人的には今回の噴火で一時的にでも「レベル4」を発すべき、発すべき状況であると考えました。

  • 2009/03/11(水) 23:08:52 |
  • URL |
  • 堀越 #71nb7YEo
  • [ 編集]

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