早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

那須岳の噴火警戒レベル表にみる噴石混乱

気象庁が17日に発表した那須岳の噴火警戒レベル表には、重大な誤記がある。書き手と読み手のコミュニケーション不全が発生している。それは、また「噴石」の使い方だ。1センチの噴石が4キロの地点に降ったとき、那須岳のレベル表をそのまま適用するとレベル5になる。しかし、記述の精神を透かし読むと、その程度の危険を気象庁はレベル3としたいらしい。

レベル5とレベル4の説明文中の「噴石」を「大きな噴石」に書き改めれば、この困難は微視的には解決できる。しかし、同時に発表された4火山のうち、那須岳と箱根山では注で「大きな噴石」を定義しているのに、安達太良山と磐梯山では注で「噴石」を定義している。どちらも意味はまったく同じで、「主として風の影響を受けずに弾道を描いて飛散するもの」だという。

すくなくとも、同時に発表したレベル表では「主として風の影響を受けずに弾道を描いて飛散するもの」を何と呼ぶか統一してほしかった。本当は、気象庁全体で統一すべきであるのは言うまでもない。しかし気象庁は、部署と時によって「噴石」の意味を異なって使う。そもそも、注記説明しなければならないような用語法を採用していること自体が、防災情報提供機関として欠格であることを証明してしまっている。

「主として風の影響を受けずに弾道を描いて飛散するもの」には、「噴石」ではない別の独立した言葉を当てるべきである。その言葉として最有力なのが「火山弾」である。

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