早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

疫学的にはフェーズ6

疫学的にはフェーズ6だが、政治的な力が働いてWHOがフェーズ6を宣言できない状態が発生している。

フェーズ6(パンデミック)は、感染症が汎世界的に流行することをいう。いまの豚由来インフルエンザは、パンデミックの条件をすでに十分満たす。しかし、これをこのままパンデミックだと言えないのは、パンデミックへの対応が強毒性ウイルスについてしか用意されていないからだ。フェーズ6への対応を実施すると、経済に大きな打撃が加わる。しかしこのウイルスは弱毒性だから、経済をそれほど痛めなくても対処できる。したがって、フェーズ5のままに留め置いてほしいという政治的思惑が疫学にいま強く作用している。

各国は、そしてWHOは、パンデミックを起こすウイルスには弱毒性のものもあることをあらかじめ織り込んでおくべきだった。いまからでも遅くない。弱毒性のパンデミックへの対応策を急いでつくってフェーズ6宣言するべきである。


WHOは、定義を変更して、これをフェーズ6にしない選択をしたようだ。フェーズ6の定義に「人類に重大な危険が迫っている時」を追加したのだという。加盟国からの圧力に屈したかたちだ。加盟国が弱毒性タイプへの対策を追加するべきだった。それをせずにWHOが定義を変更したのは、WHOの学術が政治に服従したことを意味する。(5月24日追記)

WHOのマーガレット・チャン事務局長は2009年6月11日、フェーズ6を宣言した。

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