早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

科研費がいう科学

歴史科学とか社会科学とか人文科学とかの言葉を目にすることがある。そこでは科学をいったいどんな意味で使っているのだろうか。

科研費は科学研究費補助金の略である。研究に対して国が出している大規模な補助金だ。大学で行われている研究がこれに依存する割合は大きい。そこに系・分野・分科・細目表というものがある。

わが国の大学で行われているおそらくすべての研究がここに一覧されている。芸術学まである。科研費がいう科学は、すべての学術を含むとみられる。もし音楽や美術の創作や表現まではいるなら、それがカバーする領域は学術より広い。

哲学や史学は、人文社会系-人文学分野の下に置かれている。人文社会系-社会科学分野-法学という表現が隣にあるから、哲学や史学を科学だとはいいたくない意識が見え隠れする。人文科学ではなく人文学と表記されているところに注目しよう。

科研費の文脈では、科学は単に学術を意味する言葉として使われているようだ。その意味で科学を用いるなら、歴史科学や人文科学という言い方はありうる。しかしこの表に隠された行間を読むと、その言い方はあんまりしっくりこないとみるコンセンサスがあるようだ。じっさいに、歴史科学と人文科学はこの表の中に現れない。社会科学はある。市民権を得ているようだ。

医学と工学と農学は、科学の語をかぶされることなくむきだしで掲げられている。上の階層にも科学の文字は見えない。自然科学という四文字はどこにも見つからず、それに当たる系が理工系と生物系に分けられているのが興味深い。このほかに、まるでゴミ箱のように「総合・新領域系」という系がある。

アメリカのNSFは、National Science Foundationの略だろう。サイエンス以外の学術にも資金提供しているのだろうか。

まとめ 科学は広い意味では学術と同義で使われることがある。狭い意味では、工学・農学・医学と並立する概念、すなわち大学理学部で行われていること、あるいは学校教科の理科で扱われていることを指す。疑似科学やニセ科学の文脈では、狭い意味で使われることが多い。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://kipuka.blog70.fc2.com/tb.php/281-97fdcc5f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad