早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

いまの立入禁止区域は63条警戒区域

桜島で今回拡大された立入禁止区域は、あまり報道されていませんが、災害対策基本法63条が定める警戒区域です。63条は罰則規定をもつ強い規制です。警戒区域は、国でも県でもなく、市町村の長が指定します。現在は、南岳B火口および昭和火口から半径2キロの円内を鹿児島市が警戒区域に指定しています。

気象庁は桜島の危険レベルを6月12日に2から3に引き上げました。これに呼応して鹿児島市は警戒区域を拡大しましたが、それは半径2キロをそのままにして、円の中心を南岳B火口から昭和火口にも移したものでした。したがって今回の処置によって、気象庁レベル3に対応する警戒区域円の半径は、桜島の場合、2キロであると判断されます。

現在の警戒区域内には、もちろん人家はないし、経済活動もおこなわれていません。この領域を63条警戒区域にした鹿児島市の災害対応は適切です。

将来、桜島の危険度が増して、気象庁がレベルを4、さらには5に引き上げたときのことを考えてみましょう。鹿児島市は桜島から全住民を避難させる必要に迫られます。そのとき、いまの2キロ円を拡大して桜島全体を63条警戒区域にするのか、それとも63条ではなく60条を行使するに留めて、住民に避難勧告あるいは避難指示するのか、いま決心しておくべきだと考えます。その判断には、1991年の島原での経験を使うべきです。

レベル5になると、影響が及ぶのは桜島だけにとどまりません。対岸の鹿児島市街地の取扱いも考えなければなりません。鹿児島県庁や繁華街である天文館を含む鹿児島県の政治経済の中心地をそのときどうするか、これはいま考えておくべきことです。このリスクの発現はそう低頻度ではなく、100年に1回くらいですから。

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