早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

「集団の利益」と「個人の自由」

おたふくかぜなどの伝染病に子どもたちをさっさと感染させて免疫をつける感染パーティーがなぜいけないのかを調べていて、集団の利益という考え方に初めて接した。その病気に感染する致命的打撃を受ける弱者が社会にいるから、そのひとたちにうつさないために自分が感染してはいけないというのだ。

私は専門家でないからよくわからないが、予防接種は個人の利益より集団の利益を優先する考えに基づいて推奨されているらしい。そんなこと知らなかった。接種すると個人の利益が増進するから推奨されているのだと思っていた。集団の利益が目的なら、いま通常目にする説明では不十分だ。これは、ほとんど詐欺だと思う。

私は基本的に合理主義者だから、伝染病に関しては個人の利益より集団の利益を優先させるこの考え方にむしろ賛成だ。不満なのは、本当の理由はそこにあるのに、隠していることだ。専門家が強調しない。積極的に普及しようとしない。その結果として、学校の先生や父母が知らない。この責任は、専門家が説明責任をまっとうしてないことにすべてかかる。

従来の価値観と違っても、それが本当の理由なら正々堂々と打ち出したらどうだ。とくに学術や新聞は。

ただしホメオパシーは、伝染病と違ってフィジカルには感染しない。この違いは、集団の利益を評価するときに大きく作用する。合理的に考えれば、ホメオパシーについては個人の自由が集団の利益に優先すると私は思う。

医療従事者が集団の利益を優先して(個人の利益を犠牲にして)ホメオパシーを忌避するなら、そのことを社会に対してきちんと説明する責任を負う。少なくとも会長談話にその説明はなかった。効果がないからダメだとしか書いてない。説明責任のまっとうを怠慢して、患者個人の利益を一方的に奪うことは許されない。

医療従事者にはホメオパシーを攻撃する前にやってほしいことがある。患者予備軍への懇切丁寧な説明である。それは、一過性でなく継続的になされなければならない。北風と太陽。北風で無理やりホメオパシーを押しつぶすより、太陽で患者予備軍のこころをつかむのがよい。そうすれば、自然にホメオパシーは衰退するだろう。

私が専門とする火山災害でも、合理的に考えれば、逃げるか逃げないかの判断を下すときには集団の利益よりも個人の自由が優先されるべきだと思う。しかしいまの日本はそうなっていない。この現状を私はたいへん不満に思う。


日本の現在常識と違うものを私が確信しているから、それを率直に表現した私のツイートやブログが多くの人に驚きをもって受け入れられる。そのうちの何人かが驚きを言葉にして私にぶつけてくる。ぶつかってくるそれらが多ければ多いほど激しければ激しいほど、日本の常識と私の確信の乖離が大きいことを意味するのだろう。

黙ってるけど私の意見に賛成のひとが大勢いるに違いないと最初は思っていたが、いないことはないが、どうやらとても少数らしいといまは感じている。でもそのほうが、意外性が大きくておもしろい。


感染パーティーはなぜいけないか

コメント

情報は収集しましたか?

感染パーティがいけないのは、まず第一に感染パーティに参加させられる子供個人の利益に関わるからです。今どきの予防接種は、原則として個人の利益を優先する考えに基づいて推奨されています。もう、いちいち突っ込むのに疲れました。せめて、基本的な事実関係ぐらいは把握してから情報発信をなされてはいかがですか。でなければ、せめて、読者が誤解しないように、どこか目立つ所に、「私はまったく勉強しておらず、無知のまま情報を発信しています」という注意書きを書いておくのはどうでしょうか。「驚きを言葉にして」ぶつけられる理由の一つは、早川さんがあまりにも無知だからでしょう。日本の常識と早川さんの確信の乖離は確かに大きいですね。

  • 2011/01/25(火) 11:13:56 |
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  • NATROM #-
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感染パーティーがいけないのは、子どもの利益を第一に考えてのことだというのはおかしい。もし子どもの利益が第一なら、親権者の意見を差し置いて他人がとやかく言うことがらではなかろう。本気でやめさせるのなら、親権の一時停止処置が必要だろう。

「今どきの予防接種は、原則として個人の利益を優先する考えに基づいて推奨されている」とのことだ。たしかにいまどきの日本での予防接種の扱いはそうかもしれない。学校で接種する話を聞かなくなった。

ここでアメリカの話をしよう。アメリカの複数の州では、いくつかの感染症の予防注射を打ってないと小学校に通えない。入学時にチェックがある。個人の自由よりも集団の利益が優先されている。

日本にこういうしくみがあるかどうか、寡聞にして私は知らない。いや、まったく勉強しておらず、無知だから知らない。

  • 2011/01/25(火) 12:38:52 |
  • URL |
  • 早川由紀夫 #eWKQhjJU
  • [ 編集]

広義の医療ネグレクト

>感染パーティーがいけないのは、子どもの利益を第一に考えてのことだというのはおかしい。もし子どもの利益が第一なら、親権者の意見を差し置いて他人がとやかく言うことがらではなかろう。本気でやめさせるのなら、親権の一時停止処置が必要だろう。

親権停止処置するか、でなければ、「他人がとやかく言うことがらではない」というのは極端です。感染パーティーは、望ましくはないが親権停止処置するほどではない、広義の医療ネグレクトに相当するでしょう。

医療ネグレクトの定義
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20101012

  • 2011/01/26(水) 18:03:37 |
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  • NATROM #-
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