早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

2月14日 ブルカノ式で日向まで

0507 ブルカノ式爆発、20万トン。宮崎市で強い空振、レーダーエコー0510赤、0515赤、0520黄、0525青、最大振幅:1651.7mkine 空振計:332.1Pa、VAAC FL190。小林市真方(13キロ)に2センチの火山れき。小林市内で車のガラスが割れた。

レーダーエコーに赤は1月27日16時のプリニー式以来。いままでのブルカノ式爆発で赤はなかった。(1日0754ブルカノ式爆発で黄はあった。)

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小林市堤から1キロ離れたところのハウス仲間。ウェザーリポートkadoko17、1445

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霧島SAの西約300mの道路上(9キロ)、Fさん/井村

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小林市細野(12キロ)に降った火山れき。Fさん/井村。写真判定600g/m2、噴出量20万トン。

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小林市真方(13キロ)に降った火山れき。ウェザーリポートたんぽぽ、0647

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日向市江良町(90キロ)、ウェザーリポートけん、0925



理学から見た防災

1716年噴火は、新燃岳誕生以来最大の噴火だった。今回は、それと似てると火山学者が口をそろえて言う。私もそう思う。

であるなら、1716年噴火を超える可能性も十分織り込んで、他火山の事例を踏まえて防災対策するのが妥当だ。ひとつの火山で一度か二度しか起こらない山体崩壊や、カルデラ破局噴火まで織り込むのは(現時点では)行きすぎだろうが、プリニー式軽石噴火とそれにともなう(本物の)火砕流への警戒が必要である。

300年ぶり、いやおそらく3000年ぶりの異常が新燃岳でいま発生している。日常からかけはなれた警戒態勢を少なくとも3ヵ月とってもばちはあたらない。いや、それが火山麓に住む人間がとるべき合理的選択だ。合理的な選択を社会がとらない自由を理学は認めざるを得ない。しかし、それが無知・不勉強による選択であってはならない。

地域コミュニティと畏敬の念

空から石が降ってくるというのは、これはとんでもないことなのであって、それをそうだと認識しないといけない。正常化バイアスから脱却すべきである。このとんでもないことに、地域コミュニティとして立ち向かわないといけない。ぜんぶ中央とかお上とかにやってもらう考えではだめだ。

火山麓に住んで、火山の恩恵を受けて暮らしてきたのだ。何百年かに1回はこういう年もある。観念して、敢然と立ち向かうなり、総員一時退避するなり、まっとうな対応をしないといけない。自分の自由になるものではない。ふるさとの母なる山に畏敬の念をもたないといけない。

コメント

いろいろ読んでいても、この先のことが見えない。
*活動は続くものの、心配することはないのか
*または、いつか必ず大噴火が起こるのか
*7~10キロ先のマグマダマリはどうなったのか
*櫻島は何度もブルカノ式爆発?してるが、規模は新燃岳の方が数段高いのか

貴方の見解はいかに

  • 2011/02/14(月) 21:50:19 |
  • URL |
  • moonbow #urbcaBnQ
  • [ 編集]

今のブルカノ式は確かに爆発力は大きいけれど深いマグマが上昇して来ている訳ではないでしょう。溶岩が火口を埋めた段階で、これは享保とは異なる展開だと思います。溶岩が出るということは、火道の上昇速度が十分でない程度にマグマ溜りの過剰圧が下がっているので、別のマグマ溜りの活動があれば別だが、最初に出たマグマ溜りの活動は一段落(もう出せない)していると考える方が良いでしょう。ですから、火砕流とかいう話は確率は低いように思います。

  • 2011/02/14(月) 23:12:12 |
  • URL |
  • HIROAKI SATO #-
  • [ 編集]

> 貴方の見解はいかに

私の意見を聞いてどうしたいのですか。そういう態度ではだめだということをこのエントリで書きました。

4つの命題のうち、最初の3つは愚かな問題意識です。それらの問いに簡単な答えはない。つねに考え続けるのだ。大自然はひとの理解を超越した存在だ。理解できるなんて思わないほうがいい。ちょっと近づくだけ。

最後の質問に答えます。桜島が大音響とともにはねるのはブルカノ式爆発です。ブルカノ式爆発は単発で、1回に10万トンくらい出るのがふつうです。

  • 2011/02/15(火) 05:35:56 |
  • URL |
  • 早川由紀夫 #eWKQhjJU
  • [ 編集]

> 今のブルカノ式は確かに爆発力は大きいけれど深いマグマが上昇して来ている訳ではないでしょう。

そのとおりです。火口内を埋めた2700万トンの高温溶岩が冷えている過程です。爆発は必然です。

> 溶岩が火口を埋めた段階で、これは享保とは異なる展開だと思います。

いいえ。KP3はブルカノ式火山砂です。享保のときも火口内を溶岩湖が埋めたでしょう。だから、展開は似ていると判断しています。

> 溶岩が出るということは、火道の上昇速度が十分でない程度にマグマ溜りの過剰圧が下がっているので、別のマグマ溜りの活動があれば別だが、最初に出たマグマ溜りの活動は一段落(もう出せない)していると考える方が良いでしょう。

そのとおりです。だから、いま小康状態が実現しています。最初のマグマが開けた通路を伝わって次のマグマが上がってくるかどうかに注目が集まります。地下と地表に通路が確保されたばかりだから、上がって来やすい状態が実現していると私は思います。また。次のマグマが上がってくる前に十分な時間余裕をもって前兆が現れるとみる見方と、突然やってくるかもしれないの見方があります。私の見方は後者です。

> ですから、火砕流とかいう話は確率は低いように思います

いまの場合、低いという定性的なリスク評価では不十分です。定量的に情報発信すべきです。私は20%だと書きました。さとうさんは1%以下だと書きました。このように、複数の専門家による意見の違いを示すことが重要だと考えます。

  • 2011/02/15(火) 05:44:39 |
  • URL |
  • 早川由紀夫 #eWKQhjJU
  • [ 編集]

答えてくれて、ありがとうございました。

噴火してからの期間が短かった?ためか、今のマグマの状態や溶岩湖の行くへなど
誰・何所として記載がなく(見つけられなかっただけかもしれませんが)、都城市に住む一人として、専門的な人に答えていただきたかったのです。
自然の生き様を知ろうなんて、馬鹿げていました。
自然の心に耳を傾けても、鼓動を感じることは難しいですね。
ありがとうございました。

これからも拝見させていただき、勉強させていただきます。

  • 2011/02/16(水) 21:01:04 |
  • URL |
  • moonbow #urbcaBnQ
  • [ 編集]

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