早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

2月15日 雪の朝

・きょうは、噴火予知連の定例会議が開かれるらしい。
・夕刻出された発表文の中に「軽石」も「プリニー式」もなかった。26-27日の噴火は「多量の火山灰等を放出する噴火」とされた。「ブルカノ式」の文字もなかった。
・高原町、27世帯73人に出していた避難勧告を解除。



マグマの中には水がはいっている

軽石というのは、穴がいっぱいあいた石のことだ。だから軽い。穴は水蒸気がつくった。とけた岩(マグマ)が固まるとき、溶け込めなくなった水蒸気が出てきてふくらんで穴をつくった。マグマの中には水が含まれているのだ。この水がいつどうやってマグマから抜けるかが、どんな噴火になるかの鍵を握っている。

水をいっぱいもったままマグマが地表に現れると一気に噴き出して軽石になる。1月26-27日に立て続けに3回起きたプリニー式噴火だ。1回は2時間程度だった。水をあらかた失ったマグマが出てくると溶岩になる。28日から31日まで4日かけて火口内をゆっくり埋めた溶岩湖がそれだ。

できたばかりの溶岩湖はまだ熱い。いまゆっくり冷えている。冷えていくうちに溶け込めなくなった水が出てきて圧力を高める。耐え切れなくなったとき大きく爆発する。これがブルカノ式爆発だ。爆発力は強いが10分で終わる。2700万トンの高温溶岩がそこにあるのだから、これから数ヵ月間に渡ってブルカノ式爆発を何度も繰り返すことがもはや避けられない。でもこの爆発は、4キロ以上離れていれば飛んできた火山弾に当たって死ぬことはない。

いま心配なのは、後続のマグマが地下から上がってきて、また1月26-27日のようなプリニー式噴火をすることだ。1月26-27日は不幸中の幸いで最低クラスのプリニー式だった(噴煙の高さ7.5キロ)。火砕流が発生したが1キロで止まった。本格的なプリニー式(噴煙の高さ20キロから30キロ)だと火砕流は10キロくらい平気で進む。火口の上に噴煙の柱が何十時間も立ち続けて、風下の広い地域が真っ暗になる。

1月26日午後のプリニー式噴火が何の警告もなく起こったことを考えると、次のそれへの警戒がこれからしばらく必要であることが理解できるだろう。

トランヴェール2010年10月号の16-17ページに、わかりやすい図解説明があります。

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