早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

2月20日 観光団体のうそ

宵のうちのごく微弱な火映のみ。



観光団体がうそで客よせ

新燃岳上空の風向きは北西となっていることから、宮崎県都城市方面に流れています。


社団法人鹿児島県観光連盟は、うそを掲げて客を危険地域に呼び込もうとしている。監督官庁もしくは警察の捜査が必要である。18日夕刻に鹿児島県側に大量の降灰があった。このお知らせは19日の日付である。

霧島ハイツ及び霧島ペンション村への通行は可能です。


これはうそではなく事実だ。しかしこれまで黙認してきたが、いまは言う。ペンション村の北寄りは火口から4キロの円にかかる。いま噴火している火口縁から測ると3.8キロだ。ペンション村内に4キロ線を引いて、それより山側の立入りを禁じなければ行政に不公平が生じる。 


火口縁とペンション村の距離。より大きな地図で グーグルマップ を表示。ペンション村東3.84キロ、ペンション村西3.92キロ。

私の2月8日現地調査GPSルートマップ(写真つき)。 該当地域を拡大してごらんください。

気象庁噴火警報2月1日は、「火口から概ね4kmまでの広い範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です」と書いている。 「火口から」と書いている。「山頂火口中心から」とは書いていない。

鹿児島県と宮崎県が協力して2009年3月につくって、両県ともホームページからいまリンクしている霧島火山防災マップには、想定火口から測った4キロの円が書いてある(宮崎県サイト鹿児島県サイトがリンクした霧島市サイト)。これは、火口縁から測った4キロ円よりもっと広い範囲を包み込む。霧島ハイツや林田温泉もその円の内側にある。

私はこれまで地域の観光も大切だと思ってこれを黙認してきた。しかしこの新聞記事をみて、そうは言ってられないと思った。「噴火に負けず無料入浴…霧島温泉、24日にイベント 鹿児島」 - MSN産経ニュース

火口縁から4.26キロにある宿泊施設の温泉利用を観光団体が呼びかけることに、法律上の問題ない。しかし十分な説明責任を果たさずにいまそれをやることは、社会道徳として許されるべきでない。

また、霧島市の防災対応にも大きな問題を感じる。市のページのどこにも、4キロの立入規制について何も書いてない。この規制はいったい誰がどの法律に基づいて実施しているのか。現地の道路封鎖脇の看板にも書いてない。市長は、自分に実施判断と責任がかかっていることを知らないのではないか。

では霧島の観光業にいま何が求められるか。客の車に損傷があったら、それを肩代わりする契約を申し出ることだ。気象庁は、直径4センチの火山れきが10キロを超えて降る危険があるといっている。火山噴火による車の損傷は保険でカバーされない。このリスクをホテル側が負うことを明示する。そうすれば、いくらかの客を獲得することができよう。客の車を屋根の下に入れる配慮でもいい。

車の損傷とは、小石でガラスが割れる、ボディに傷がつく、火山灰で汚れるなどだ。後者については洗車代をサービスする、あるいはホテル側が水で洗い流してきれいにするなどの軽微な手当てで可能だろう。いま霧島のホテルには生命のリスクはないと気象庁はいうのだから、このような対応で社会は容認することになっている。

しかしリスク管理は、気象庁や行政の指示を参考にすることはあっても、最終的には当事者の責任によって判断されるべきだ。気象庁も県も市も、自然災害によって生じた損失の責任を負うとは思われない。個人がこうむった損失を国が補償する仕組みに、わが国の法律はなっていない。

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