火山観測情報 第38号
平成18年9月22日14時00分 気象庁地震火山部
火山名 浅間山
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浅間山の火山活動は静穏な状態になりました。
<火山活動度レベルを2から1に引き下げました。>
** 本 文 *****************
1.火山活動の現状と評価
浅間山では、平成16年9月1日に中爆発が発生し、同年12月9日まで活発な噴火活動が継続しました。その後、火山活動は次第に収まり、平成17年6月以降はやや活発な状態で経過していました。
最近は、地震活動、火山性微動、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量及び山頂火口内の高温状態を示す火映の発生等のいずれにおいても、低調な状態が続いています。
これらのことから、火山活動は静穏な状態になったと判断し、火山活動度レベルを2(やや活発な火山活動)から1(静穏な火山活動)に引き下げました。
2.今後の留意事項
現在のところ火山活動は静穏な状態となっていますが、山頂火口近傍に影響する程度のごく小規模な噴火の可能性はあり、火口近傍(中心から500メートル程度以内)では注意が必要です。
火山活動は、再び活発化する可能性もありますので、今後の活動の推移に注意して下さい。
<火山活動度レベルは0~5のうち、1(静穏な火山活動)です。>
火山観測情報の定期的な発表は本号(第38号)をもって終了します。
今後の火山活動状況については、定期的に公表している週間地震・火山概況や火山活動解説資料等をご覧下さい。
火山活動に変化があった場合は、火山情報で随時お知らせします。
この危険レベル引き下げにより、湯の平から前掛山頂まで登山できるようになりました。小諸市の登山規制は気象庁レベルと連動することが2004年4月1日の告示に書かれていますから、もうすでに登ってよいことになります。軽井沢町の登山規制は、2004年7月1日の告示を読むと、今回の2→1では変更ありません。嬬恋村のしゃくなげ園上の規制解除は自動的にはいきません。村がいつ規制を解くのか、私はまだ知りません。
浅間山の火山活動レベルの表(気象庁へのリンク)
浅間山の場合、レベル0になることは想定されていません。レベル1が最低(もっとも安全)です。

2004年火山弾の直撃を受けて大きく変形した鋼鉄製シェルター。火口中心から500メートルの位置にあるので、近寄って見学できます。浅間山のブルカノ式爆発の威力を実感してください。

2004年9月23日の爆発で飛来した百トン岩。火口中心から450メートル地点にあるので、立ち入り禁止ロープから遠目で観察できます。
上記二枚の写真は、小諸市長から立入許可を得て、小諸市職員同行のうえ、2005年9月に撮影しました。