早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

福島県で始まった甲状腺スクリーニング検査

いま福島県で行われている甲状腺スクリーニング検査は、基準を定めるための検査である。この基準をベースラインと呼ぶ。福島の子どもたちの甲状腺にどれだけにしこりがあるかを調べる検査だ。いままでの検査では、100人に1人くらいの割合で大きなしこりがみつかっている。

この割合は、いままで知られていたより桁違いに大きい。しかしこれを、2年前の原発事故で出たヨウ素のせいだとみなすのは早計である。最新の超音波器械が高性能なために「見えすぎてしまう」効果によるらしい。原発事故の影響がほとんどない青森・山梨・長崎で行われた同様検査で同様の割合でしこりがみつかったことが、この推論を支える。

(ただし、ここでちょっと不審なのは、1万人に1人の割合でがんがみつかったことだ。そのうち3人がすでに手術したそうだ。これに関する情報公開は個人の権利を守るために限定的だ。したがって、3人がん手術が意味するところは、一般にはまだよく知らされていない)

2年後、2回目の検査をする。それによって、しこりを持っている人が増えたり、しこりが大きくなっていないかをベースラインと比較して調べる。しかし、ここで増大が確認できても、原発事故のせいだと決め付けるのはまだ早いのだそうだ。しこりの割合は時間とともに変化するのが普通で、その変化を見ているだけの可能性があるのだそうだ。

4年後、3回目の検査をする。このとき初めて原発事故の影響があるかないかの判断ができる。1回目(ベースライン)から2回目までに増えた分と、2回目から3回目までに増えた分を比較する。後者が無視できないほど大きかったときに限り、原発事故の影響があったことがわかるという。

ヨウ素が襲来した程度の差によって、警戒区域(多い)・中通り(中くらい)・会津(少ない)に分けて上の検査の結果を集計すれば、原発事故の影響をより正確に判定することができるそうだ。

以上、玄妙さんから教わった。

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