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早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

ガラスバッジが示す実効線量は芝生実測値の5分の1

福島市や郡山市で芝生の上1メートルを測って毎時1.0マイクロシーベルトの住宅地を想定する。屋外平均は半分の0.5マイクロ程度だろう。毎日の生活の中での遮へい効果を0.6倍と見積もると0.3マイクロだ。1年だと2.6 ミリシーベルトになる。ガラスバッジはその7割を測るから年1.8ミリ。ここから自然放射線0.5ミリを引いて、身に着けていた人には年1.3ミリと報告される。



芝生の上で2.0マイクロの場合は、年3.2ミリと報告される。芝生の上で0.5マイクロの場合は、年0.4ミリと報告される。

ガラスバッジ報告がちょうど年1.0ミリになるのは、芝生の上で0.8マイクロが測られるところだ。もし放射能に気を付けて生活すれば(あるいは徹底的な除染をすれば)被ばくを半分に押さえ込めるだろう。つまり1.6マイクロのところまで住める。いまの国の線引きはこのような考えでなされている。

風雨で0.5倍、室内遮へいで0.6倍、ガラスバッジで0.7倍。合計0.21倍。これが、いま国と県が採用している実効線量だ。芝生の上1メートルで実測した値の5分の1である。そして、数値が個人に報告されるときは、自然放射線分として年0.5ミリがそこから引かれている。(郡山市は年0.65ミリを引いている)

実効線量は仮想的な数値であって実測できない。適当な仮定を置いて、実測値から計算して出す。したがって、そこで採用する仮定に政治が入り込む隙がある。実効線量は科学のようにみえるが、科学だけではない。その仮定は次を含む。風雨や除染による放射性物質の除去効果、建物による遮へい効果、バックグラウンドとして差し引く自然放射線の量。

このような大事故のあと国民の健康を守るのを、やわらかい数値である実効線量でやるべきか、それともかたい数値である実測値でやるべきか、よく議論する必要がある。


・ツイッターまとめ「津島診療所の関根先生のガラスバッジ
・ツイッターまとめ「追加被ばく年1ミリシーベルトのカラクリ
・年20ミリは空間線量。毎時3.8マイクロに当たる。3.8*24*365*0.6で年20ミリになる。0.6は建物による遮へい効果。
・いっぽう年1ミリ追加は実効線量。実測できる空間線量だと毎時0.38マイクロに当たる。0.38*24*365*0.6*0.7-400で年1ミリ追加になる。0.7は実効線量換算、400は自然放射線。
・年1ミリ追加が当初毎時0.23マイクロと言われたのは、実効線量にするための0.7倍がしてなかった。緊急時だから安全を取ったのだろう。

二本松東和でのガラスバッジ実測結果
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自然放射線(年0.50ミリ)を引いてある。寝室窓際に放置した二女のガラスバッジの報告値は、そこが0.33マイクロだったことを意味する。ガラスバッジは正確に動作したようだ。祖父と祖母は浪江町。そして仮設住宅。

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いわき市の場合
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いわき市は私の地図で0.5マイクロ。半減期でいまは0.35マイクロまで減じているはずだ。これはガラスバッジではなく数値を表示するデジタル積算線量計らしい。風雨で0.5倍、室内遮へいで0.6倍の合計0.3倍になるとみられる。0.11マイクロだ。実測平均は0.09マイクロに見えるので、もっともらしい。

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伊達市、2013年11月21日発表

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