早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

気象庁による噴火予知の的中率は18%

気象庁は、2007年12月1日から火山に噴火警戒レベルを設定して噴火予知の業務を始めた。これまでの7年間に気象庁が出した噴火警報を詳しく読むと噴火予知を17回発表したと解釈できる。そのうち3回の直後に噴火が発生した。的中率は18%である。いっぽうこの間に予知がないまま噴火が9回発生したから、現在の気象庁による噴火予知の感度は25%である。

○予知成功         3回
●予知失敗(空振り) 14回
×予知失敗(見逃し)   9回
ただし桜島を除く

        予知あり 予知なし
噴火あり     3      9
噴火なし    14      -

的中率 3/17 = 18%(予知が的中した割合)
感度   3/12 = 25%(噴火を予知した割合)

2014年10月7日

・予知成功の代表例
 2015年5月6日箱根山レベル2、6月29日噴火
・予知失敗(空振り)の代表例
 2015年8月15日桜島レベル4、噴火なし
・予知失敗(見逃し)の代表例
 2014年9月27日、レベル1のまま御嶽山が噴火して63人死亡

以下は随時更新

雌阿寒岳
●2008年9月29日 火口周辺危険、レベル2相当
 2008年10月17日 解除
○2008年11月17日 火口周辺危険、レベル2相当
 2008年11月18日 噴火 M0
 2008年12月16日 導入 レベル2
 2009年4月10日 レベル1
●2015年7月28日 レベル2
 2015年11月13日 レベル1

十勝岳
 2008年12月16日 導入 レベル1
●2014年12月16日 レベル2
 2015年2月24日 レベル1

蔵王山
●2015年4月13日 火口周辺警報「小規模な噴火の可能性。想定火口域から概ね1.2kmの範囲で警戒してください」
 2015年6月16日 火口周辺警報解除(レベル1相当)
 2016年7月26日 導入 レベル1

吾妻山
 2007年12月1日 導入 レベル1
●2014年12月12日 レベル2
●2015年1月15日 解説情報6号「今後、状況によっては小規模な噴火が発生する可能性があります。」
 2016年10月18日 レベル1

草津白根山
 2007年12月1日 導入 レベル1
●2009年4月10日 レベル1(切り替え)
●2014年6月3日 レベル2

浅間山
 2007年12月1日 導入 レベル1
○2008年8月8日1500 レベル2
 2008年8月10日0237 噴火 M-3 
○2009年2月1日1300 レベル3
 2009年2月2日0151 噴火 M0.3
●2009年2月3日0930 レベル3(切り替え)
 2009年4月7日 レベル2
 2010年4月15日 レベル1
○2015年6月11日 レベル2
 2015年6月16日 噴火 M-1.4

新潟焼山
×2016年5月1日 噴火 M-1、噴火してもレベル1のまま

御嶽山
 2008年3月31日 導入 レベル1
×2014年9月27日1152 噴火 M1.7
 2014年9月27日 レベル3
 2014年9月28日 レベル3(切り替え)
 2015年6月26日 レベル2

箱根山
 2009年3月31日 導入 レベル1
○2015年5月6日 火口周辺警報 レベル2
 2015年6月29日 噴火 100トン
●2015年6月30日1230 レベル3
 2015年9月11日 レベル2
 2015年11月20日 レベル1

三宅島
 2008年3月31日 導入 レベル2
×2009年4月1日 噴火 M-1.7
 2015年6月5日 レベル1

西之島
×2013年11月20日 噴火 M3
 2013年11月20日1820 火口周辺危険、レベル2相当
 2014年6月3日 入山危険、レベル3相当
 2014年6月11日 入山危険(切り替え)
 2015年2月24日 入山危険(切り替え)
 2016年2月17日 入山危険(切り替え)
 2016年8月17日 火口周辺危険、レベル2相当

阿蘇山
 2007年12月1日 導入 レベル1
×2011年5月16日1000 噴火
 2011年5月16日1100 レベル2
 2011年6月20日 レベル1
●2013年9月25日 レベル2
 2013年10月11日 レベル1
●2013年12月27日 レベル2
 2014年3月12日 レベル1
×2014年8月30日0913 噴火
 2014年8月30日0940 レベル2
×2015年9月14日0946 噴火速報
 2015年9月14日1010 レベル3
 2015年11月24日 レベル2
×2016年10月8日0146 噴火速報 M1.3
 2016年10月8日0155 レベル3
 2016年12月20日 レベル2
 2017年2月7日 レベル1

霧島山新燃岳
 2007年12月1日 導入 レベル1
×2008年8月22日1634 噴火 M1.3
 2008年8月22日1715 レベル2
 2008年10月29日 レベル1
×2010年3月30日0734 噴火 M0
 2010年3月30日0910 レベル2
 2010年4月16日 レベル1
●2010年5月6日 レベル2
×2011年1月26日0731 噴火 M3.7
 2011年1月26日1800 レベル3
 2011年1月31日0135 レベル3(切り替え)
 2011年2月1日1120 レベル3(切り替え)
●2011年3月22日1700 レベル3(切り替え)
●2012年6月26日1800 レベル3(切り替え)
 2013年10月22日 レベル2

霧島山(硫黄山)
●2014年10月24日1000 火口周辺危険、レベル2相当
 2015年5月1日 平常、レベル1相当
●2016年2月28日1100 火口周辺危険、レベル2相当
 2016年3月29日 活火山であることに留意、レベル1相当
●2016年12月12日 レベル2
 2017年1月13日 レベル1
 2017年5月9日 レベル2

桜島
×2012年7月24日 南岳が2年半ぶりに爆発
×2013年8月18日 噴煙5000m
●2013年12月23日 山体膨張
●2014年3月6日 山体膨張
●2015年1月6日 山体膨張
●2015年8月15日 レベル4
 2015年9月1日 レベル3
 2015年11月25日 レベル2
×2016年2月5日 噴火速報、レベル3

薩摩硫黄島
 2007年12月1日 導入 レベル2
 2012年11月29日 レベル1
×2013年6月4日0517 噴火 M0
 2013年6月4日0950 レベル2
 2013年7月10日 レベル1 
●2017年1月5日 レベル2
 2017年2月24日 レベル1

口永良部島
 2007年12月1日 導入 レベル2
 2008年1月25日 レベル1
●2008年9月4日 レベル2
●2008年10月27日 レベル3
 2009年3月18日 レベル2
 2009年8月4日 レベル1
●2009年9月27日 レベル2
 2009年10月30日 レベル1
●2011年12月15日 レベル2
 2012年1月20日 レベル1
×2014年8月3日1224 噴火 M0
 2014年8月3日1250 レベル3
●2014年8月7日 レベル3(切り替え)
×2015年5月29日0959 噴火 M1
 2015年5月29日1007 レベル5
●2015年10月21日 レベル5(切り替え)
 2016年6月14日 レベル3

○予知成功         5回
●予知失敗(空振り)  27回
×予知失敗(見逃し)   17回

        予知あり 予知なし
噴火あり     5      17
噴火なし    27       -

的中率 5/32 = 16%(予知が的中した割合)
感度   5/22 = 23%(噴火を予知した割合)

2017年5月15日

コメント

火山噴火による原発事故

「火山学会は夜も寝ずに頑張れ」と原子力規制委員会の某氏がさいきん言ったそうだが。危ない立地条件の原発を止めた方が、予想の現実的な技術的困難性から見てやはり、よほど合理的なのではないかと思う。

  • 2014/11/07(金) 11:59:11 |
  • URL |
  • 匿名 #GMs.CvUw
  • [ 編集]

気象庁では無理

いろいろ気象庁の予報の精度をお調べの内容は、素晴らしいです。
しかし、気象庁という役所の役目は、元々、気象観測の延長で、「明日は雨か晴れか?」の
根本方針は火山噴火でも同じで、当たらなくとも
「残念でした」で終わりで、「気象技術向上の
参考にします」でおしまいです。
そういう点で、科学の研究が目的で、国民の生活、生命の保全、という視点は存在しない
役所です。
この点、国土交通省は、観点が全く異なり、
国土保全、国民の生命、資産の保全に必要な
対策を実施するので、予報では終わりません。
火山という危険な対象は、観測も、国土交通省に移管すべきだと思います。
皆さん、マスコミも含めて、勘違いしているように思われます。

>やまちゃんさん

何を主張されたいのか、今ひとつわかりません。気象庁はそもそも国土交通省の外局です。それを「国土交通省に移管」するというのは、具体的にどういう意味でしょうか?

  • 2015/07/01(水) 09:50:14 |
  • URL |
  • toorisugari #JalddpaA
  • [ 編集]

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