早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

日本の火山リスク

リスクは被害と発生頻度の積であらわす。過去に起こった顕著な火山災害について、いま起こったときの死者数を被害とし、年代の逆数を発生頻度とみてその災害のリスクを計算した。その結果を都道府県ごとに集計するとこのようになる。

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2014年の交通事故死者は、日本全体で4113人だった。日本火山全体のリスクは1655(人/年)だから、交通事故リスクの40%である。ただし都道府県単位で比較すると、青森県・秋田県・群馬県・静岡県・長崎県・熊本県・宮崎県・鹿児島県で火山リスクが交通事故リスクを上回る。高リスク火山から遠いところの府県には火山リスクゼロが多い。火山リスクは、日本列島にあまねくあるのではなく局在している。

日本火山のリスク評価 2014年1月27日


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十和田湖から1万5000年前に噴出した八戸火砕流は102 km走った。いまこの領域内に200万人が住んでいるからリスクは133。東に伸びる楕円は、火砕流の直前に降り積もった八戸軽石(厚さ50 cm)。

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浅間山が2万4300年前に崩れて流れ広がった塚原土石なだれの分布。いまこの領域内に100万人が住んでいるからリスクは41。

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箱根山から6万6000年前に噴出した横浜火砕流の分布。いまこの領域内に400万人が住んでいるからリスクは61。東に伸びる楕円は、火砕流の直前に降り積もった東京軽石(厚さ50 cm)。

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阿蘇から8万7000年前に噴出した阿蘇4火砕流は141 km走った。いまこの領域内に1100万人が住んでいるからリスクは126。

コメント

十和田の火砕流

1万5000年前に起きた十和田カルデラの八戸火砕流については、早川由起夫先生が文献を残されていて,鹿角で生まれ育った私が初めて知り得た興味ある資料でした。私たち凡人が知り得る確かな情報とは、今こうして発信者がいて初めて知る場合もあり、そういった地味な研究や勉強を重ねている方が表舞台に出れないのが非常に残念です。

今一度,早川由起夫先生の『火山災害を防ぐ』を読んでみよう。ーー抜粋ーー潜在脅威は一年あたりの平均死者数とおもってよい。巨大噴火に防災対策を施すことがまったく無意味であるとはいえない。しかし現在の社会システムと政治のしくみの枠の中に留まって考えるかぎり、火山の時間スケールと人間の時間スケールの違いが大きいことに気づかずにはいられない。ーー

ちなみに投稿者の私の実感として十和田湖周辺自治体の避難計画作りは進んでおらず、防災対策や訓練は一度も行われたことはないと記憶してる。

火山監視警報センターを置き噴火警戒レベルの引き上げの判断を同センター所長が担い、より迅速に火山の評価や情報発表を専従の所長を置く事で解決できるようなことが某新聞に書かれてありましたが、専従の所長って火山の専門家ですか??
ほんとうに???です。悲しいーーバルダルブンガ火山が噴火し続けた時も、早川先生と小山先生のツイッターで知り得てはじめて興味を持ちました。火山の専門家というものは世界のどんな火山の噴火でも自分の子供みたいに心配し興味があるものだと感じました。また深い知識と研究心のあらわれだと。

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