先行検査でみつけた甲状腺がんは、2011年の原発事故前からあったがん、あるいは原発事故とは無関係のがんを、超音波検査によってみつけたと考えられる。本格検査でみつけたがんは、先行検査での見落としか、先行検査のあとの2年間に生じたがんだと思われる。しかし、それにしては数が多い。先行検査の半分以上ある。検査集団の加齢を考慮しても説明がむずかしい。
子供たちののどに超音波を照射した検査行為が甲状腺にがんを発生させたのではなかろうか。本格検査でがんが見つかった子供68人の先行検査結果を福島県が公表しているから、この仮説を検討してみよう。
表 先行検査と本格検査がんの関係

先行検査でA1は31人、A2は31人、Bは5人、受診なしは1人だった。先行検査でB判定(異常あり)だった274人に1人から本格検査でがんがみつかった。A1判定だった4061人から1人、A2判定だった3851人から1人、とくらべると10倍以上の割合だから、この結果はもっともらしい。
いっぽう、受診なしだった2万3784人からはがんが1人しかみつからなかった。この割合は、受診あり24万6647人から67人のわずか6分の1である。超音波検査を受診すると甲状腺がんになりやすいのではないかの疑いがここに生じる。
しかし、先行検査では24万6647人のうち115人にがんがみつかった。2145人に1人の割合である。先行検査を受診せず本格検査で初めて受診したひとの10倍の割合である。なにかがおかしい。先行検査受診なしの大半は、本格検査から対象になった低年齢児なのかもしれない。もしそうであれば、超音波検査のせい仮説は棄却される。
先行検査における対象者(平成 4 年 4 月 2 日から平成 23 年 4 月 1 日までに生まれた福島県民)に加え、本格検査では平成 23 年 4 月 2 日から平成 24 年 4 月 1 日までに生まれた福島県民にまで拡大した。(福島県)
やっぱりそうだ。原発事故時、胎児だった1学年を本格検査で追加してる。1学年だから2万人程度であろう。先行検査受診なしのほとんどは原発事故時、母親の胎内にいた子供であり、まだ幼くて甲状腺がんをり患していることがほとんどないからがん率が異常に小さいのだとわかる。超音波検査が甲状腺がんをつくった証拠は、まだない。
福島県2016年12月27日発表から抜粋


ツイッターまとめ
・超音波検査が2巡目の甲状腺がんをつくった説
・2巡目の甲状腺がんの原因は超音波かも...