早川由紀夫の火山ブログ

Yukio Hayakawa's Volcano Blog

噴火警報

気象庁が気象業務法を改正して噴火警報を出すと、19時のNHKテレビニュースが伝えた。

噴火警報を出すのは限られた火山だけだという。すべての火山が対象ではないのだという。何も限られた火山だけが噴火するわけではないのだが。噴火警報なしに甚大な被害噴火が起こったとき、気象庁はどう責任を取るつもりか。

噴火警報の中に避難などの防災行動を含めるという。災害対策基本法とのすり合わせは十分なのか。

そもそも火山噴火は、噴火してから避難するのでは遅い。火砕流が発生したから情報を出して住民を避難させるのでは間に合わない。火砕流の発生を予見して住民をあらかじめ避難させておく必要がある。大風や大雨を観測して、その進路に対して情報を出す気象警報とは性格がまったく異なる。この性格の違いを無視して噴火警報を気象警報と同列に扱うようなことは、してはならない。

噴火リスクは本質的にあいまいだ。そしてしばしば莫大な被害をもたらす。これは社会全体が総出で対応すべきことがらだ。このようなリスク対応には費用がかかる。その費用を負担するひと全員がリスク対応に関与すべきだ。ひとり気象庁だけがその任にあたる、あるいは気象庁だけにやらせるような仕組みはつくるべきでない。
 

NHKニュース全文

気象庁の火山の情報は、これまで活動の活発さごとに「火山観測情報」、「臨時火山情報」、「緊急火山情報」の3種類に分かれていましたが、自治体や住民からどう対応すべきか示されていないという指摘が出されていました。このため、気象庁は、噴火の規模に応じてどのような対応を取るべきかを明示した「噴火警報」を新たに作り、大雨警報や洪水警報などと同じ気象業務法の警報として発表することになりました。これによって、火山周辺の自治体には住民に情報を速やかに知らせることが義務づけられ、入山の規制や避難勧告の発表など防災対応を取るよう求められます。「噴火警報」は、火山活動を5つのレベルに分けたうえで、活動が穏やかなレベル1を除くレベル2から5のときに出されます。▽火山活動がやや活発で小規模な噴火が想定されるレベル2のときは「火口周辺の立ち入り規制」を求める噴火警報が出され、▽火山の広い範囲に噴火の影響が及ぶおそれのあるレベル3では「登山の規制」を求める噴火警報が出ます。▽大きな被害を伴う噴火が想定されるレベル4では「避難の準備」、▽さらに大噴火が起きたり、迫っていたりするレベル5のときは「避難」の噴火警報がそれぞれ出されます。「噴火警報」は、周辺自治体の防災態勢づくりが進められている富士山や桜島、伊豆大島など16の火山を対象に始められ、今後は、ほかの火山にも広げられる予定です。気象庁の警報が増えるのは、昭和30年に洪水警報ができて以来52年ぶりで、気象庁は近く気象業務法の改正案を国会に提出することにしています。
10月6日 19時9分



11月14日、参議院本会議で可決成立。12月初めにも施行される見通し(NHKニュース)

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